出産祝いは退院した産婦が落ち着いた頃に贈ります。だいたい10日後~1ヶ月後が良いでしょう。
この理由として、次の2つの日本古来の習わしが関係しています。
- お七夜(おしちや)
- お宮参り(おみやまいり)
初めての方でも分かりやすいように1つ1つ順を追って解説していきます。安心して読み進めてください。
1.出産祝いは10日後~1ヶ月後が良いとする理由
1-1.なぜ、10日後以降が良いのか?
実際に産婦さんが退院する時期はだいたい1週間~10日です。
一番重要なことは産婦さんのことを気遣う気持ちです。そのため、出産祝いは1週間後すぐでも良いのですが、退院が落ち着く10日以降が望ましいです。
また、お七夜(おしちや)と呼ばれる、日本古来の習わしで、産婦の回復と赤ちゃんの無事を願い、産後1週間はお祝いなどを控えたようです。
お七夜とは、赤ちゃんの誕生から7日目の夜に健やかな成長を願って行うお祝いのことで、平安時代から続くと言われる日本の古来からの行事です。
昔は、このお七夜の日に産婦の床上げ(とこあげ・産後の疲労から回復して寝床を片付けること)としたり、赤ちゃんの名前を披露するために宴を開くなど、この日を大切にする習わしがありました。
現代は医療が進歩し、母子ともに無事であることが当たり前のように思っている方も少なくありません。
しかしその昔は生まれた赤ちゃんが7日を待たずに亡くなってしまうことが多かったようです。
そのため、7日を過ぎるまでは名前をつけることを控えていました。
1-2.なぜ、1ヶ月後までが良いのか?
産婦さんとその家族が、出産祝いのお返し(=内祝い)を行うのは一般的に産後、1ヶ月後以降です。
日本で古くから伝わる行事・お宮参り(おみやまいり)が産後1ヶ月後であること。この時期に赤ちゃんの名前で出産祝いのお返しをするのがマナーとされています。
なるべく10日後~1ヶ月後に出産祝いを贈りましょう。
せっかくお返しの準備が終わった頃に出産祝いが届くと、またその方のためだけにお返しの準備が必要になります。
マナーと言われる期限内に出産祝いを贈ることで、産婦さん側のお返し準備も一斉に行うことができ、まとめてやることで手間の軽減につながります。
お宮参りとは、赤ちゃんが生まれて1ヶ月後に初めて氏神(うじがみ)神社に参拝することを言います。
氏神様は、その地域の鎮守であり、その守り神に自身の赤ちゃん誕生の報告と、健やかな成長を願います。
かつて、お産は「死」「血」と関係が深く、“穢れ(けがれ)”と考えられ、母子の身が潔まる(きよまる・清浄になる)のを待って参拝していたようです。
男児は32日目、女児は33日目に行うのが一般的ですが現在は、親族が皆が揃うのに都合の良い日に行います。地方によっては100日目にお宮参りを行うところもあります。
まとめ
以上のことから出産祝いを贈る期限は10日後~1ヶ月後を目安にしましょう。
また今回の記事を書く上で参考にした書籍を紹介しておきます。
- 決定版 冠婚葬祭入門
:一条 真也 (著)、日本儀礼文化協会 (監修)
- 伊勢丹の最新儀式110番
:伊勢丹(著)