お産を間近に控えたプレママは「出産時に便をしたらどうしょう・・」など、お産時をイメージして不安や心配が出てきます。
ここでは出産時に特に気になる排便、陰部の切開、アンダーヘアの処理の3つについて解説していきます。
はじめての妊婦の方でも分かりやすいように専門用語は全て補足を入れています。安心して読み進めましょう。
目次:
出産時の心配その1:排便
いよいよ分娩台(ぶんべんだい・出産時に使う医療用ベッド)に乗ると出産が始まります。
この時、「いきむ」ことを助産師さんに指導され、排便を心配する妊婦さんもいらっしゃるでしょう。
いきむ の意味をデジタル大辞泉では「息を詰め(呼吸を抑えて)腹に力を入れて力む。」と紹介しています。
実際に出産時の いきむ とは、膣や産道に集中するイメージで力を入れます。
お産時の痛みの波(=陣痛)が来たらアゴを引き、両目はパッチリ開けて、ご自身のへそを覗くような体勢が基本的なポーズです。
妊婦さんの中には、このいきんでる最中に「絶対に便をしたくない!」「立ち会いする旦那に便を見られたくない!」と本気で思い悩む方も少なくないようです。
そんなプレママのために日本とイギリスの産婦人科で勤めた経験を持つプロ助産師、ヒル・まゆ子さんは次の2つのアドバイスをしています。
- ほとんどの助産師は、何も言わずにさっと処理してくれる
- 立ち会いの際、ご主人はお通じに気づかない
パピマミ「分娩の時に“便”も出てしまうって本当?」より
お産でいきんでいる時に排便をしてしまった際、ほとんどの助産師は何も言わずすぐに処理をします。
素早い処理のため匂いもたちません。
もし気づいたママは後で恥ずかしがったり謝ったりするのですが、助産師の視点は全く異なります。
むしろ、排便することはお産が進んでいる証拠なので「あともう一息!」となる訳です。
なので恥ずかしがるのではなく「喜ばしいことだ!」と思いましょう。
また、パパに便を見られたくないという悩みですが、そもそもお産の立ち会い時にはパパはママの頭側にいることがほとんどです。
そして多くのパパに共通して言えるのは、お産時は緊張して実は何が起きているのか全く分かっていません。
お産の痛みで叫ぶママを目の前にどうして良いか分かりません。
ただママの側で手をしっかり握って応援するしかありません(その行為が妊婦さんにとって何よりも頼もしいと聞きます)。
もし、それでもパパに便が気づかれても安心してください。
すぐに赤ちゃんの泣き声が聞こえ、パパとママは心からの感動シーンを迎えると便のことなんか忘れてしまっています。
ただし、ここまでの説明を受けても不安を感じる方もいるかもしれません。
ヒル・まゆ子さんは、そのような方にお勧めな方法として「バース・プランに追加する」とアドバイスしています。
難しいことを書く必要はありません。
ただ思っていることをそのまま、「お通じが出るのが恥ずかしい、夫に知られたくない」と伝えましょう。
すると助産師さんは出産時に、もし妊婦さんが排便したらすぐに処理をしてそのことに触れず、またパパの立ち位置も配慮してくれるようです。
出産時の心配その2:会陰切開(えいんせっかい)
「会陰切開」とは、出産時に会陰(膣と肛門の間にある部分)を切開する方法です。
これによって、赤ちゃんの頭の通り道を確保します。
この切開手法を医師が選択する時の理由は主に2つあります。
- 会陰が伸びるのを待つ間に赤ちゃんの心拍数が下がる
- 会陰が伸びる前に裂けそうになる
赤ちゃんが産まれるために妊婦の体のあらゆる部分は体勢を整えていきます。
会陰もその一部で、赤ちゃんが通り抜けられるように伸びようとします。
しかし、なかなか伸びるのに時間がかかって赤ちゃんが弱ったり、伸びる前に裂けて妊婦さんが傷を負ったりしないための処置であると認識しましょう。
ここで補足をしておきますと、実は医師による切開でも自然に裂けてもどちらでも問題なく直るようです。
数々のリサーチによって、裂傷と切開の傷では、治り方にほとんど差がないことが分かっています。
つまり、切っても裂けても、きちんと縫えばきちんと治るということなのです。
パピマミ「知っておきたい出産時の会陰切開の知識4つ」より
これは日本と海外で助産師を務めたヒル・まゆ子さんの情報ですが、日本の病院では多くの医師が切開を好むようです。
その理由は、「切れた部分が縫いやすい」というものです。
もし裂けてしまった会陰を縫合する場合、傷口が複雑でなかなか縫うのに時間がかかってしまいます。
しかし、切開してしまえば傷は1カ所なので、その部分だけを縫うだけで済みます。
ママにとっては縫う時間が短縮できて、お産後は少しでも早く体を休ませたいですよね。
会陰切開時は麻酔をして行うので、ほとんど痛みはありません。
また回復までには一般的に5日ほどかかり、その頃には痛みもほとんどないでしょう。
ただ産後の痛みには個人差があり、3日で痛みが全くなくなった方、座る時も経つ時も痛みを感じた方、会陰よりお産した箇所が痛かった方など様々な意見があります。
出産時の心配その3:剃毛(ていもう)
剃毛とは、陰部の毛を剃(そ)ることです。
妊婦さんによっては「人に剃られるなら自分で!」とお考えの方もいるかもしれませんが、それはお勧めしません。
実際、予定日の時期にはお腹が大きくて自分で処理するのは難しく、また皮膚を損傷する危険性もあります。
基本的には病院側の指示に従うことが一番安心な選択です。
でもなぜ剃毛が必要なのでしょうか?
それは主に次の3つの理由があります。
- 赤ちゃんを細菌から守るため
- 会陰切開時の感染防止
- 会陰切開や会陰裂傷 ※1 が起きた場合、スムーズに縫えるため
※1.会陰裂傷(えいんれっしょう)とは、自然分娩時に妊婦の会陰(膣と肛門の間にある部分)が裂けてしまうこと
特にはじめて出産を経験するプレママは、会陰切開や会陰裂傷になることがあるため剃毛することが多いようです。
赤ちゃんを細菌から守るとは陰毛や毛穴には細菌が潜んでいることがあり、剃ることで細菌が移らないように防止する効果があります。
また、同じ理由から会陰切開をした時に細菌が入って感染しないよう妊婦を守るために行います。
その他には会陰切開した箇所を医師がスムーズに縫いやすいようにするといった理由が挙げられます。
ただ次の先輩ママの体験談を読むと恥ずかしいと思う間もないことが伝わってきます。
お産の前は、剃られるのは恥ずかしいだろうなぁと思っていましたが、いざ、そのときになってみると、それどころじゃない!
早く陣痛が終わってほしい一心。剃毛なんてあっという間に終わりました。(S・Tさん)
goo ベビー「お産の前に受ける処置A to Z」より
それでも、いきなり剃毛されるのは抵抗がありますよね。
心の準備をするためにも、事前に入院される産院に確認しておきましょう。
最後に
ここでは出産時にプレママの方が特に気になることを中心に解説しました。
最後に出産を間近に控えた方へ、赤ちゃんが産まれるシーンをアニメ映像にした動画をお贈りします。
お産前の様々な悩みが吹き飛ぶかも知れません。
※注意!映像はアニメーションですが、とてもリアルです。気分がうつむく時の閲覧はお勧めしません。
引用元:Detailed video shows exactly how a baby is born
赤ちゃんは暗く狭い産道の中を一生懸命に進んで行きます。
ママに会いたい一心だけで勇気をふりしぼって前進します。
あなたは出産時に起こることに対して様々な悩みや不安があるかもしれません。
でも赤ちゃんを応援することを忘れてはいけませんよ。