出産後の腹痛で不安になってしまうママもいるかもしれません。
何が原因であるかがある程度分かると、安心して適切な対処や行動を考えることができるかと思います。
ここでは産後の腹痛による主に次の4つのポイントを挙げて解説します。
- 子宮収縮
- ストレス
- 悪露(おろ)
- 便秘
専門用語には必ず補足説明をくわえて、初めてのママが読んでも分かるように紹介しています。安心して読み進めましょう。
1.子宮収縮が原因の腹痛
出産後、ママの体は妊娠前の状態に戻ろうと激しく働きます。
そのうちの1つ、子宮(しきゅう・赤ちゃんを守り育てる臓器)が膨らんだ状態から元の大きさに戻ることを“子宮復古(ふっこ)”と呼びます。この時、子宮の収縮が不規則に起きる状態になります。
「家族の毎日を笑顔に」を理念として運用する出産・育児サイト『mamari(ママリ)』。
ここで記事を執筆する先輩ママ、ゆーこりん さんはご本人の実体験から子宮復古による痛みについて次のように説明しています。
あれ?出産が終わったのにどうして?
まるでお産が終わっていないかのようにぎゅーっと痛みがきました。<中略>
「伸びきった子宮が戻ろうとする力なので、あったほうが安心」だと後で聞きました。中には痛みが軽い人もいるそうですが、私の場合は結構痛かったな、と今でも覚えています。
mamari「出産後の後陣痛はいつまで続くの?」より
このように子宮の収縮によって腹痛が誘発されることがあります。
一般的にこの痛みは、1週間ほどで治まります。ゆーこりん さんの場合、1週間ほど経つとほとんど痛みが消えたようです。
ただし、「腟内に圧迫感や充満感がある」「下腹部が引きつったようになったり、ずきずきした痛みがある」といった場合、子宮に関わる病気の可能性があります。
その時はすぐにお世話になった産院や近くの医師に相談しましょう。
2.ストレスが原因の腹痛
産後、ママの体はボロボロで疲弊のどん底です。初めての出産なら1週間ほど安静にして退院しますが、それでも体は完全に回復した状態ではありません。
そこから3時間おきの授乳、頻繁なおむつの交換に加えて、里帰りしなかったママは、洗濯・料理・食器洗いなどの家事もやらなければなりません。
体は疲弊し、心に余裕がなくなると当然、ストレスが貯まってきます。特に産後のママがストレスをため込むと、胃痛を感じる方が多いようです。
一番の解決策は、リフレッシュすることです。
思い切って週末、パパに赤ちゃんをお願いして1時間外出する、またはご両親に1〜2時間預けるなど、ママ自身の時間を作ってリラックスするのです。
近くに甘える人がいなくても、今では0歳でも受け入れる一時預かり所などがあるので、「少しだけで良いから休ませて」というママは利用しても良いでしょう。
もしイライラすることがあるママさんは「出産後にイライラする原因と5つの対処法由」をご覧ください。
3.悪露(おろ)が原因の腹痛
悪露とは、産後に出る生理時の血のようなものを指します。これは妊娠中、赤ちゃんを包んで守ってくれた様々な分泌物です。悪露が出ると、生理の時と同じような腹痛の症状が表れます。
少し塊(かたまり)があっても、神経質に不安になる必要はありません。その塊をナプキン上でこすり、消えるほどの小さな塊なら特に問題はないでしょう。
一般的には産後1日目に大量に排出されて、7日経つと排出量も少なくなります。個人差はありますが、1カ月ほどで治まります。ただし、悪露が1カ月経っても全く治まらないと感じたら、異常事態だと考えても良いでしょう。
育良クリニックの理事長を務める浦野 晴美先生が監修した記事によりますと、悪露が少しでも変だと思ったら病院へ行くことを勧めています。
産後1ヵ月経っても出血が続く場合や、悪露のニオイがヘン、発熱、腹痛などの症状があるときは、子宮の回復が遅れていたり、胎盤などの組織が残っている可能性があります。出産した病院を受診しましょう。
ママニティ大百科「産後0~1ヵ月のママ」より
また悪露が悪臭を放ち、発熱が続くような時は、性器や子宮の傷から細菌感染している可能性があります。
いずれにしても、お産でお世話になった産院や病院の医師に相談しましょう。
4.便秘が原因の腹痛
産後、6日間も便が出ず、辛い体験をした1児のママ、moko さんは、次のように語っています。
【入院後6日目 退院の日】
助産師さんが「○○さん、すべてスッキリして帰ろう!もう浣腸だわ~!(*^▽^*)」と言ってきて、出産前は、陣痛で体がしんどくて浣腸に対して、恥ずかしさはなかったものの、今は完全に正気です。
しらふで、お尻を差し出すのはとても恥ずかしいものでした。でも恥ずかしさもあったけど、そんなこと言ってられない!
出産前にも浣腸をしてもらったベテランの助産師さんに、やってもらいました。
トレンドタウン「産後の便秘解消法はコレ!産後の便秘は出産よりつらい!?」
結果的に座薬では効かず、浣腸で便秘が解消した、というお話です。
聖心美容クリニックで統括院長を務める鎌倉 達郎先生(2014年11月現在)が監修した記事によると、産後の便秘対策として次のことを挙げています。
- 水分をしっかり摂取する
- 休息する時間を作る
- ヨガやストレッチを行う
※参考サイト:ヘルスケア大学「産後の便秘の原因と解消法」
一般的に、ママのおっぱいは毎日600〜800 ml作られます。これは1日に1リットルほどの水分を摂らなくてはなりません。ママ自身の体のため+母乳を作るためにそれぞれ1リットルを摂るのが理想なので、合計2リットルの水分が必要となります。
また、産後は頻繁な授乳やおむつの交換などの育児でママはへとへとです。すると自律神経(じりつしんけい)が乱れ、これが便秘の大きな原因のひとつとなります。
自律神経を簡単に説明しますと、内臓を動かしたり、血液を流すなど、無意識のうちに体の機能をコントロールしている神経のことです。他にも栄養を吸収する、老廃物を回収するも同じ神経の働きです。
赤ちゃんが寝てる時に、家事を後回しにして一緒に休むなど、休む時間を作るようにすると、自律神経を安定させることにつながります。
最後に、運動不足も解消も便意対策に良いとされています。ヘルスケア大学では便秘対策に「便秘に効くヨガポーズ」や「便秘に効くストレッチ」が効果的だと推奨しています。
あとがき
産後の場合、腹痛と言っても子宮収縮、ストレス、悪露、便秘など、様々な要因が考えられます。
今の体調が少しでも気になる方は、ご家族の協力を得て病院へ行くことをお勧めします。
その他の体調不良については、こちらの記事を参考にしてください。