産後は育児で生活が大変な状態なのに「抜け毛」というショックな事態もママを襲います。
ただ安心してください。時間がたてば抜け毛は落ち着いてきます。
個人差はありますが抜け毛が始まるのは2〜3ヶ月頃で、次第に落ち着くのが6ヶ月〜1年頃と言われています。
ここでは産後のひどい抜け毛に関して、次の流れでお話ししていきます。
後半は医師など専門の先生の言葉も出てきますが、分かりやすくしているので安心して読み進めましょう。
産後、先輩ママたちのひどい抜け毛4例
筆者も妊娠中や産後によく利用させていただいた女性限定の会員サイト『ウィメンズパーク』には、出産・育児に関する悩みが多く寄せられています。
その中に「産後の抜け毛がひどい」という先輩ママたちの状況が掲載されていました。
こちらの情報を参考にしていただきたく一部ご紹介します。
1.毛量がないのにさらに少なくなった
ノペ さんは初めての出産から3ヶ月がたった頃、ひどい抜け毛を目の当たりにして、かなり恐怖を感じていたようです。
元々多くない(髪の毛が細い)髪が明らかに少なくなり、前髪はすいてないのに相当すいている状態に…
コメント:ノペ さん
その時の工夫と言えば前髪の量を厚めに切ってごまかしたり、少し良いシャンプー(無添加の低刺激性?)を使って過ごしていました。
産後の抜け毛は簡単に予防できるものではなく、毎日大量に落ちた自分の髪を掃除していたそうです。
でも6ヶ月が経過して一斉に短い髪の毛が生え、問題の前髪もツンツン生えてきました。
コメントからは悩みが晴れたような喜びが伝わってきます。
2.排水溝を掃除することが日課
産後3ヶ月に抜け毛が始まった t☆h☆y☆s(タイス?)さんは、あまりの抜け毛に風呂場と洗面所の排水口の掃除が日課だとユーモアたっぷりにコメントしています。
かなりボリュームは減りますよ。
もともと髪が多いのですが、ぺったんこになって美容院で髪をすくことが必要なしでした。
あと抜け毛が終わる頃に生え際や分け目から短い毛がピョンピョン出てきます。
コメント: t☆h☆y☆s さん
この短い毛を彼女の回りではアホ毛と読んでいるそうです(笑)
タイスさんの抜け毛は産後、6ヶ月過ぎた頃に落ち着いたと語っています。
3.抜け毛が一番のストレス
2016年12月に男の子を出産したチワワかぁちゃん さんの場合、産後3ヶ月頃から髪の毛がひどく抜け落ちるようになりました。
床やらマットやら布団やら、いくら掃除をしても落ちている髪の毛。
息子の手足に絡まっていたり、服に付いていたり、お風呂でもゴッソリ抜けて排水溝やら自分の足に絡み付き。
コメント:チワワかぁちゃん さん
彼女はとにかく抜け毛が気になって仕様がなくなり、このことが一番のストレスであると断言する程です。
ちなみに育児に関しては息子が可愛すぎて、生まれてから全くストレスを感じたことはないと語っています。
産後の抜け毛は生理的現象でもあるため、防ぐのは難しいとされています。
それでもチワワかぁちゃん さんのため、他のママさんたちは「しっかり頭髪を洗おう!シャンプーを控えて洗わないと逆に毛穴が詰まってトラブルになるから」「春夏はヘアターバン、冬はニット帽で生え際隠し」などアドバイスをしてくれました。
4.ドライヤー後は抜け毛が尋常じゃなかった
2人目を出産した もんじろう113 さんは、上の子の時も抜け毛がひどく、今回も例外なくやって来たと話しています。
髪をひとかきするごとに髪の毛が指に絡み、ドライヤーを使った後は抜け毛が尋常じゃなかったことを告白しています。
でも抜け毛の時期は、よく赤ちゃんの首すわりから腰座りまでと言うらしく、産後3ヶ月くらいから6ヶ月らしいです。
上の子の時もぴったりその時期でした(^^;)
コメント:もんじろう113 さん
彼女の場合、毛量は少なくて細いため生え変わって来た時期は、額の生え際にホワホワとアホ毛が立っていたとか。
この毛を利用して前髪を作り、何とかカバーしていたようです。
以上が先輩ママ達の産後の抜け毛事情です。
抜け毛に対する考え方・感じ方は皆さんそれぞれですが、共通して言えることは「最初はショックだったけど、自然と落ち着いた」という点ではないでしょうか。
産後のショックを少しでも和らげるため、次で簡単に分かりやすく抜け毛のメカニズムを解説します。
※ただ1年経っても抜け毛がおさまらない方は、お世話になった産婦人科医、または専門医に相談してみましょう。「女性 薄毛クリニック」と検索すると最寄りの病院が探せます。
産後の抜け毛の原因
「抜け毛や薄毛の主な原因にホルモンバランスの乱れがありますが、出産後の抜け毛もこれに当てはまります。」
つまり産後の抜け毛の原因は「女性ホルモンの乱れ」と語るのは、専門医の馬渕 知子先生(まぶち ともこ・ブチメディカルクリニック院長)です。
この女性ホルモンですが、妊娠中は分泌が活発になります。
妊婦の体に影響を及ぼす女性ホルモンには主に下記2つがあります。
- 美人ホルモン(エストロゲン)
- 不細工ホルモン(プロゲステロン)
※理解しやすくするため、ここでは便宜的に「美人ホルモン」「不細工ホルモン」と呼称します
「美人ホルモン」は、女性のボリュームのある髪・豊かな胸・つややかな肌など、女性的な体を作る働きをサポートする役割があります。
一方、「不細工ホルモン」は、生理前に起こるイライラ・むくみ・肌荒れなどの原因とされ、母体が妊娠しやすいようにサポートする重要な働きがあります。
下図をご覧いただくと、妊娠中から出産後(=分娩後)のホルモン変化が分かります。
▲参照画像:gooベビー「体のあちこちに色素沈着!原因はホルモンにあり」
妊娠中はこの2つのホルモンが一緒に増加することで母体は守られ、安全な状態で出産ができます。
そして出産後に2つの女性ホルモンが激減することも分かりますね。
抜け毛について簡単に説明すると、これら女性ホルモンには毛髪の成長を促したり、育毛を維持する働きがあります。
でも出産後、女性ホルモンの大きな減少によって妊娠中に抜け落ちなかった毛髪たちが、一斉に正しいヘアサイクル(髪が生まれて抜け落ちるまでの周期)に入るため、まとめて抜け落ちるのです。
ヘアサイクルも含めて「産後に起こるママの抜け毛には2つの原因があった」で図解で分かりやすく説明しています。
- 32歳女医、そろそろ子どもがほしい頃「産後の抜け毛はいつまで続く?!」
- スキンケア大学「出産後の抜け毛の原因と改善方法」
- 女性のための育毛講座「女性の薄毛・抜け毛の基礎知識:なぜ脱毛は起こる?」
産後、抜け毛予防5つの対策
「抜け毛はあまり気にしないでください」と言われても髪は女性の命。
そこで少しでも抜け毛の予防になる対策を下記に挙げます。
- なるべく睡眠を取るようにする
- 規則正しい生活を意識する
- 葉酸を摂取する
- 大豆製品を食べる
- 正しい方法で髪を洗う
実はこれにお勧め低刺激性シャンプーと育毛剤の2つを加えて「産後の抜け毛が気になるママへ7つの予防対策」で詳しく解説しています。
ここでは産後、重要だけど二の次にしてしまいがちな“食生活”にフォーカスして説明します。
葉酸を摂取する
渋谷文化村通りレディースクリニックの医師、山中 薫子(やまなか かおるこ)先生が監修した記事では「葉酸を摂取すると、ぐっすり眠れることが期待できる」ことに触れています。
葉酸には、良質な睡眠に導くメラトニンというホルモンの材料となる『セロトニン』を作り出す効果があり、『安眠効果』が期待できます。
引用:葉酸サプリ110番「産後の抜け毛に特に葉酸を摂ることをがおすすめな理由」
この“安眠”が重要なキーワードで抜け毛予防に関わってきます。
しっかり眠りにつくことが出来ると成長ホルモンの分泌量が増え、弱った毛髪の修復・毛髪の成長につながるのです。
つまり、結果的に抜け毛予防の効果が見込めるということですね。
また、葉酸を摂取することでストレス緩和の効果も期待できるようです。
葉酸の多く含まれた食品は主に「緑黄色野菜、レバー、柑きつ類」です。
(1日の推奨量は妊娠前で 240 μg(マイクログラム)、授乳中のママは 340μg、妊娠中は 480 μg )
■肉類
- レバー(牛)100g…葉酸1000μg
■野菜類
- 芽キャベツ(茹)100g…葉酸240μg
- 菜の花(茹)100g…葉酸190μg
- グリーンアスパラガス(茹)100g…葉酸180μg
- 枝豆(茹)50g…葉酸130μg
- ブロッコリー(茹)100g…葉酸120μg
- サニーレタス100g…葉酸120μg
■果物類
- マンゴー200g…葉酸168μg
- ネーブルオレンジ300g…葉酸102μg
- いちご100g…葉酸90μg
- アボカド100g…葉酸84μg
※μg=マイクログラム
引用:ヘルスケア大学「葉酸が多く含まれる食べ物・食品(監修:矢追医院 矢追 正幸院長)」
ただ妊娠中と同じで、普通に食事から摂取するのは大変です。
そんな時のために葉酸のサプリメントを活用すると良いでしょう。
大豆製品を食べる
マブチメディカルクリニックで院長を務める医師、馬渕 知子(まぶち ともこ)先生が監修した記事で「大豆製品を食べることが産後の抜け毛予防につながる」と伝えています。
大豆に含まれるイソフラボンにはエストロゲン(女性ホルモンのこと)と似た作用がありますので、乱れたホルモンバランスを整えるのに役立つことが期待できるからです。
引用:スキンケア大学「出産後の抜け毛の原因と改善方法」
先に紹介した女性ホルモンの1つ、美人ホルモンと同じ働きをする成分が摂取できると言うことでしょうか。
ちなみに食品安全委員会(※)は、イソフラボンの1日に摂取する目安量の上限値は「70〜75mg」と公表してます。
※「食品安全委員会」とは国が運営する食品安全の評価を行う機関のこと
大豆は加工食品となっても成分があまり失われない特性があるので、下記食品を摂るようにすると良いですね。
- 納豆1パック:約35mg
- 豆腐1丁:約60mg
- 味噌汁1杯:約6mg
- 豆乳1パック(200g):約50mg
ただし過剰摂取は体調不良を招く危険性があるので注意が必要です。