一般的に陣痛が始まってから出産までの時間は、初めての妊婦さんで12〜16時間ほど。
2人目以降を出産するママで5〜8時間ほどかかると言われています(日本産科婦人科学会より)。
この時間のほとんどが、赤ちゃんが産まれるために子宮口が全開に開く(=10cm)のを待つのに費やされます。
ここでは子宮口の開く意味、1~2cm開いている状態の解説、そして子宮口を柔らかくする効果的な方法について、分かりやすく解説していきます。
目次:
1. 子宮口(しきゅうこう)が開くとは?
日本とイギリスで助産師の資格を取得し、勤めた経験のある Hillまゆ子 さんは、子宮のことを「大きな水風船」と例えています。
子宮は、大きな水風船のように、赤ちゃんの成長に合わせてどんどん大きくなります。
その際、中に入っている赤ちゃんが出て来ないように、風船の出口はきちんと閉まっていなければなりません。
それが子宮口です。
日刊アメーバニュース「助産師もツラいよ! お産の時に何度も内診をする必要があるワケ4つ」より
Hillまゆ子 さんの説明によりますと、子宮口は通常3〜4cmの厚さがあって、子宮口が開く時はこの厚さがなくなって薄くなります。
まるで水風船の中に入っている水に押される形で子宮口の厚さはどんどん薄くなり、限界まで伸びたら開き始めます。
もし内診で「まだ子宮口が開いていません(=子宮口 0cm)」と医師や助産師さんに言われても、お産は進行している可能性があります。
特に子宮口が開いてなくても、子宮口の厚さが薄くなっていれば、お産は進行しているのです。
ちなみに厳密には、下図のように外子宮口と内子宮口の両方が開いた時に初めて「子宮口が開く」といいます。
画像引用元:goo ベビー「子宮口が開くってどういうこと?」
2. 子宮口が1~2cm開いている状態とは?
子宮口が1~2cm開いている状態は、生理痛に近い痛みがあり、お腹が張った感じがします。
この状態から出産までにかかる時間は、あまりに個人差があるので断定的なことは言えません。
子宮口が2cm開いてから結果的に「翌日に産んだ」「2週間後に出産した」とママによってバラバラです。
はじめて出産する妊婦の方は「もう産まれるの?」と焦りがちになりますが、本当の陣痛は笑う余裕もありません。
まだまだ始まったばかりです。
ただ大事なことは、病院から指導を受けているかと思いますが、陣痛が10分間隔になるまで自宅でリラックスしながら過ごすことです。
また陣痛を計測する時はメモ用紙に書いておくと、後で病院に連絡した時、看護師さんに何か聞かれても手もとにメモがあると即答できるので便利です。
行動できるうちは食事をとって、水分を補給して体力をつけておきましょう。
これから始まる長い出産の道のりのために。
あと入院の準備を念のためチェックするのも忘れないでください。
チェックする時、「はじめての出産!入院準備に欠かせない53選」を参考にしましょう。
3. 子宮口を柔らかくする3つの方法
妊娠37週目までは赤ちゃんが生まれかかる状態を防ぐため、子宮口は硬い状態です。
次は出産を控えて、子宮口が開くのを待つ状態ですね。
そこでここでは、子宮口が開くのに少しでも作用する3つの方法を解説します。
- ウォーキング
- 階段の上り下り
- スクワット
3-1.ウォーキング
ウォーキングは、臨月にママがやるべき運動として産院の医師からも一番勧められるエクササイズではないでしょうか。
よく言われる効果としては、子宮口が開きやすくなったり、気分転換のストレス解消になったり、また運動不足の解消にもつながります(お産では体力をたくさん使います)。
妊娠前から妊娠中・産後の女性をサポートするバースコーディネーターの大葉 ナナコさんは、「ウォーキングをすると、まず、骨盤がしっかりできてきてくるんです」と話します。
ウォーキングは体内に酸素をたくさん取り込む有酸素運動で、心臓や肺の機能を高めます。
これは血液の巡りが良くなることを意味し、ママだけでなく赤ちゃんにも酸素やホルモンがいっぱい送られる、と大葉さんは語ります。
買い物で疲れるのは、何を買おうかな?と心が疲れているの(笑)。
正しい姿勢でスタスタ、さっさと1時間。ノンストップで歩きましょう。
<中略>
みんなもよく、そんなに歩けな~い、っていうんです。でも、まず15分からスタートしてみて。
そうすれば脂肪の燃焼も始まり、体重コントロールにもなります
プレママタウン「「マタニティスポーツ、なにしよ編」ウォーキングの巻」
詳しい解説や歩き方の写真に興味のある方は「「マタニティスポーツ、なにしよ編」ウォーキングの巻」をお読みください。
3-2.階段の上り下り
臨月時にママが安産のためにやるべきエクササイズの代表格の1つが“階段の上り下り”ですね。
効果として、骨盤とその回りの筋肉が緩んで安産につながる。また子宮口の開きも期待できます。
さらに陣痛を促す効果もあるようです。
ただ熱心にやり過ぎて転倒すると破水の危険性が高まる事故になるので、熱の入れすぎには注意ですよ。
事故を防ぐために少しでもヒールのある靴はNGです。
しっかりスポーズシューズを履いて、無理のない範囲で上り下りの運動をしましょう。
そして急な階段は避けて、また雨が上がった直後の足下が滑りやすい場所も危険なので絶対NGです。
休憩をはさみながら、適度に階段を使って運動しましょう。
3-3.スクワット
看護師や助産師さんがスクワットを推奨する理由は、骨盤を広げたり、骨盤底筋(こつばんていきん・子宮や腸などを支える筋肉部)を鍛えるなどの効果が期待できるからです。これらの効果は安産につながります。
ただ間違った方法で行うと、さらに腰痛がひどくなったり、赤ちゃんに負担をかける危険性もあります。
「しあわせ整体からり」さんが情報提供するスクワットは、非常に効果が高く評判が良いとうかがっています。
それではまず、セッティングから始めましょう。
≪セッティング≫
- 1.(骨盤に重力がかかる)立った姿勢で行います。
- 2.壁に背中と頭をくっつけて背もたれします。
(※重要なポイント!脊柱の位置を定め、不必要な体幹筋運動を除外する為)- 3.足幅は大体50cm開く。
「安全+ラクな安産スクワット『分娩最中に子宮口が開きやすかった』と助産師さん自らが実感した方法」より
そしてスクワットへと進めます。
≪スクワット開始≫
- ①骨盤の底部の坐骨が左右へ開閉するのを感じながら膝を軽く曲げ、腰を落とします。
(深く曲げすぎない・壁から頭を離さない)- ②骨盤をゆりかごをゆらすように前、後ろへゆっくり2~3往復振ります。
- ③直立姿勢に戻ります。
この①~③を5回で1セットとして、1日に3セット行えば十分のようです。
詳しくはしあわせ整体からりさんの公式ページ「安全+ラクな安産スクワット」をご覧ください。写真が掲載され、分かりやすく解説しています。
あとがき
いかがでしたか?特にはじめてのお産はドキドキで緊張しますよね。
最後にYahoo!知恵袋に先輩ママさんが、出産当日に助産師さんに受けた指導を掲載していたので、引用させていただきます。
10分間隔になってから出産まで、結局36時間の難産になりましたが、その間に病院で助産婦さんに指導してもらった子宮口を開く為にしたことを、ご参考になれば・・・。
- 階段の上り下り
- とにかく歩く
- スクワット
- 陣痛を促進するアロマ(香りは「ナツメグ」でした。臭かった・・・。)
- 足の沐浴(温めると良いそうです)
- 室温を高めにして、手足を冷やさない
- 腰に貼るカイロ
こんな感じです。家であれば半身浴がいいそうですよ。
Yahoo!知恵袋「子宮口を自然に開く方法」より
安産で赤ちゃんとの感動の対面ができることを心からお祈りしています。