「帝王切開での出産だと、母乳が思うように出ないのでは… 」と不安なプレママさん、ママさんは多いのではないでしょうか?
母乳育児が推奨されている昨今、母乳で育てよう!と思っていらっしゃる方は多いと思います。
今まさに母乳育児を頑張っているママさんもいらっしゃいますよね。
実際のところ、経腟分娩での出産と帝王切開での出産で 母乳の出方に差はあるのでしょうか?
こちらのページでは、帝王切開の母乳に関する様々な悩みや疑問を解決するため、筆者の帝王切開の体験を交えて紐解いていきます。
産後の育児に専念できる情報になることを願っています。
目次:
1.帝王切開だと母乳は出にくいの?
結論から先にお伝えしますと、帝王切開と母乳の出方は関係ありません。
25年以上のキャリアを持つ助産師、浅井 貴子さんの見解によりますと、産後、胎盤の排出から母乳の分泌は始まり、体が母乳を出す体勢になります。
つまり、出産方法によって母乳の分泌に違いはないことがわかります。
母乳は胎盤が排出されることにより、プロラクチンというホルモンが分泌されて生産が始まります。
更に赤ちゃんがおっぱいを吸うことで オキシトシンというホルモンが母乳を生産するよう脳に働きかけるんです。
引用元:All about 母乳育児・授乳/母乳育児の基礎知識「母乳が出る仕組み」
帝王切開が決まったから、帝王切開で出産したから、といって 不安に思い悩む必要はありません。ここは安心して欲しいポイントです。
では、帝王切開での出産でも経腟分娩とまったく同じように授乳できるのでしょうか?
次の項目で詳しくお伝えしますね。
2.母乳の分泌と出産の方法の関係性
先ほどお伝えしたように、出産方法と母乳の分泌・生産量は特に関係がないことが分かりました。
でも帝王切開は、お腹に大きな傷を負った状態です。
確かに経腟分娩の方に比べると赤ちゃんの抱っこが大変である=授乳が大変である、という違いはあります。
もちろん会陰切開などで経腟分娩の方も、産後の授乳は苦労することと思います。
ただ、帝王切開でのお産はお腹に大きな傷がある状態です。
ついついお腹をかばったり、辛くて赤ちゃんが泣いてもすぐに体を起こせなかったり、起きている体勢が辛かったりで、中々満足に授乳が出来ないということは考えられます。
帝王切開後も授乳は待ったなしで始まりますから、母乳の分泌自体は問題なくても、傷と闘いながらの授乳という面では少し気合が必要かもしれません。
母乳は赤ちゃんに吸ってもらえばもらうほど出るようになります。
赤ちゃんがおっぱいを吸うと刺激がお母さんの頭へ伝わり、オキシトシンという物質が分泌(ぶんぴつ)されます。
母乳を出したり、子宮を収縮させたりする働きがあるため、産後の子宮の回復が促進されます。
引用元:ゼクシィBabyBaby+ 産後・産褥期「いいこといっぱい、母乳育児」
そして頻回授乳を心がけることで、子宮の回復も早くなるといわれています。
母乳をつくるプロラクチンの濃度は、分娩時が最大で、その後は授乳によって徐々に減少していきますが、赤ちゃんが乳首を吸うことで分泌が促進されていきます。
そのため、分娩後早期に授乳を開始することは、初乳の栄養を摂取するためにも、プロラクチンなどのホルモンが十分に分泌されるためにも必要です。
引用元:ヘルスケア大学「母乳ってどうやって作られるの?母乳のメカニズム」
また授乳クッションなどをうまく活用して頑張って授乳を続けてみてください。
産後の傷痛む場合は、フォットボール抱きや縦抱きでの授乳だと傷に影響が出にくいですよ!
引用元:こそだてハック「新生児の授乳の仕方!フットボール抱きって?母乳量や姿勢のコツは?」
母乳の出には個人差や初産婦、経産婦の違いはありますが、産後の頑張りも重要になってくるのですね。
もちろん無理は禁物ですので、辛いときはミルクにも頼りつつ、短時間でも、できる範囲で授乳を行ってください。
筆者の考えですが、たまに見る「帝王切開だと母乳がでにくい」という声は、帝王切開後の体調不良でなかなか授乳が出来ず、乳首に刺激がいかなかったために母乳が軌道に乗らなかったからではないかと思うのです。
続いて母乳がなかなか出ない、軌道に乗りにくいときの対処法を解説していきます。
3.母乳育児が軌道に乗らない時の対処法
筆者の体験談を交えてお伝えしますと、母乳育児を軌道に乗せるポイントは次の3つです。
- 頻回授乳をする
- 水分摂取を心がける
- 休む
単純な事かもしれませんが筆者の場合、この3つを意識するだけで本当に母乳の出は変りました。
それでは1つ1つ分かりやすくお話ししていきますね。
3-1.頻回授乳をする
まず1つ目の「頻回授乳」ですが、筆者は3時間毎と決めなくても、赤ちゃんが欲しがったら授乳していました。
具体的には3時間きっちり守らなくても、ある程度時間が空いたらあげるという方法です。
(筆者の場合、30分しか経ってないけど泣いたら授乳ではなく、あくまで時間単位で管理)
頻回授乳の考え方には色々あります。
「きっちり、3時間起きに授乳してください」と指導する産院や母乳外来もあれば、「泣いたらどんどんあげてください」というところもあるでしょう。
しかし上記でお伝えしたように乳首に刺激を与えれば与えるほど 母乳の生産ホルモンの分泌が期待できます。
赤ちゃんが乳首を吸う回数を増やし、刺激を与えましょう。
授乳回数が増えるほどプロラクチンとオキシトシンが分泌されて母乳が作られ、乳管も開きます。
赤ちゃんの睡眠時間が長くて授乳できない場合や赤ちゃんがうまく母乳を飲めない場合は、搾乳をするのも一つの方法です。
搾乳でも乳頭を刺激することはできます。母乳を出るようにするには、とにかく母乳を出してあげる必要があるのです。
引用元:こそだてハック「母乳が出ない原因は?帝王切開だと出にくいの?」
こちらの解説のように、母乳の分泌が少ないのでは?と不安な方は、まずは頻回授乳を心がけてみて下さいね。
3-2.水分摂取を心がける
また、水分補給も大事です。
母乳は血液から作られていますから、良質な食生活ももちろん大事ですが、何より水分がないと血液もドロドロになってしまいます。
夏場の出産は特に、冬の出産でも常にわきに水を常備しておいても良いくらい、水分の母乳の出に与える影響は大きいといえます。
ママの便秘予防のためにも一日、2リットル以上の水分補給を心がけてみてください。
参照元:ベビスマonline「あなたの水分は足りてる?母乳と水分の関係を教えちゃいます!」
3-3.休む
そして最後の休むについてですが、赤ちゃんのお世話をしているとついつい 自分が休むことを後回しにしてしまいます。
休まないと体はどんどん疲労を溜めていきますし、ストレスも全く解消されず、母乳の出も悪くなる一方という 悪循環になりかねません。
また、ママの疲れやストレスは母乳の分泌ホルモンを抑制してしまうというお話しもあります。
母親が激しい痛みを感じたり、猜疑心、羞恥心、不安感などでオキシトシン分泌が抑制されます。
引用元:妊娠・出産・赤ちゃん Dear Mom「乳汁産生調節のメカニズム」
赤ちゃんのお世話は大変ですが、パパや周りの人に協力してもらい、睡眠時間をしっかりとる事と育児を頑張りすぎない事を意識してください。
赤ちゃんを目の前に疲れるなという方が無理ですが、ママが倒れてしまうのが 赤ちゃんにとって一番良くない事態です。
母乳の出を良くするためにも しっかりと休息の時間を取るよう心掛けてくださいね。
4.帝王切開だってしっかり母乳育児はできる!
母乳の分泌と出産方法が関係ないことで少し安心したのではないでしょうか。
帝王切開だからといって母乳育児が出来ないなんてことは全くありません。
また産後の傷に注意して授乳したり、最後に述べたように頻回授乳や水分補給、休息を心がけることで、十分母乳育児ライフを満喫することが出来ます。
むしろ、上記を怠るとどのような出産方法であっても授乳に苦労するともいえるのです。
これから出産に挑むママさんは是非、今回の話を頭の片隅においていただき、今、まさに奮闘中のママさんは試しにお伝えした方法を実践してみてください。
ただ、頑張りすぎず、疲れた時はミルクをあげてママが休むのも良いと思います。
自分のペースで無理なく、母乳育児ライフを満喫してくださいね、応援していますよ!