産後、便秘がちになるママはあなただけではありません。
「恥ずかしいから・・」と後回しにして、医師や看護師、助産師さんに相談しないと後で大変な事態を招くこともあります。
ここでは、次の通り産後の原因とその原因に即した改善策について解説しています。
専門用語には必ず補足説明を入れているので、はじめてのママでも読みやすい内容となっています。安心して読み進めてください。
1.産後、便秘となる主な2つの原因
出産してから便秘になりやすくなった先輩ママさんの体験談を見てみましょう。
出産や育児に関する記事を提供するブロガーの moko さんは出産後、5日間も便が出なくて、結果的に産後6日目に浣腸して便秘が解消されました。
実は moko さん、退院後にも便秘に悩まされてしまいます。この事については次のように話しています。
旦那さんに浣腸を買ってきてもらい。無事にしのぐことが出来ました。
この浣腸が市販で売っていて本当に助かりました。家にストックもしてあります(^^♪
私の場合は、産後1か月(会陰の痛みが消えた)経過後、「産後の便秘」は、自然と解消されてきました。
トレンドタウン「産後の便秘解消法はコレ!産後の便秘は出産よりつらい!?」より
ただ moko さんの場合、出産前にも助産師さんに浣腸をしてもらったことがあるようなので、慢性的な便秘体質なのかもしれません。
※写真はイメージ画像です
産後の便秘の主な原因として、次の2つのことが挙げられます。
- 会陰切開の傷口が開くのが怖くて、排便時に力を入れたくない
- ママの体内に保有する水分量が少ない
排便時に力を入れたくない
まず会陰切開の縫っている部分がイスに座れないくらい痛みがあるので、思いっきり力を入れることができない。
このため便意を感じても我慢してしまうケースです。
しかし、会陰切開の縫った部分と肛門は別の場所です。
よっぽどのことがない限り排便時に傷が開くことはないので安心してください。
水分摂取量が十分ではない
また、ママが摂取する水分量が不足していることも原因の1つです。
通常、母乳は毎日600〜800ミリリットル作られると言われています。
妊娠前と比較すると、ママは自分のために1リットル、母乳のために1リットルの合わせて2リットルの水分補給が理想的です。
ちなみに便の 70% は水分です。残り 20% は腸内細菌、10% が食べた物の残りと言われています。
もし体内の水分量が不足すると、体は「水分を吸収してくれ!」と命令を出してきます。
すると便の水分まで持って行かれることになり、水分が減った便は必然的に硬くなってしまう、という仕組みです。
2.産後、便秘となるその他の3つの原因
その他にも便秘の原因として次のことが挙げられます。
- 体の機能をコントロールしている神経が乱れる
- 育児ストレスによる腸の働きの低下
- 運動不足による筋力の低下
それでは1つ1つ解説していきましょう。
2−1.体の機能をコントロールしている神経が乱れる
産後、ママは頻繁な授乳やおむつの交換、おまけに睡眠がしっかり取れない状況で常に疲労感が一杯です。
すると自律神経(じりつしんけい)が乱れてしまい、これが便秘を引き起こす原因となります。
「自律神経」とは、内臓を動かしたり、血液を流したり、無意識のうちに体の機能をコントロールしている“神経”のことです。
その他にも栄養を吸収したり、老廃物を回収する働きもあります。
便を作るはたらきをする腸は、自律神経にも関係しています。
不規則な生活で腸の働きも乱れた結果、便秘につながるのです。
2−2.育児ストレスによる腸の働きの低下
また、育児ストレスを脳が感じることで便秘になることもあります。
これは人間の脳と腸が密接な関係にあることが原因です。
脳が感じたストレスの影響を腸は受けやすく、腸の働きが鈍くなってしまうのです。
すると排便が通常通りに機能しない。
その結果、便秘となってしまいます。
2−3.運動不足による筋力の低下
最後は、運動不足による筋力の低下が引き起こす便秘についてです。
本来、腸などの臓器は、収縮運動をすることで便を移動させる役割があります。これを蠕動(ぜんどう)運動と呼びます。
特に出産後すぐは、妊娠前のような生活を送るのが難しく、また育児に専念していると、運動不足になりがちなママさんが多いかと思います。
体の筋力(便秘の場合は特に腹筋)が衰えると、蠕動運動がうまく促進されず、うまく便が腸から肛門へ押し出されない=便秘となってしまいます。
3.授乳しているママの下剤使用は勧めない理由
また下剤を使って簡単に便秘を解消しようとお考えの方もいるかと思います。
この方法はオススメできません。
もし下剤を服用すると、その下剤の一部の成分が母乳にわずかながら含まれてしまいます。
すると赤ちゃんも下剤を服用したことになるのです。
これは赤ちゃんによって、吐き気や下痢などの症状が誘発される可能性があります。
そこで下剤を服しない方法を次で紹介していきます。
4.産後の便秘を解消する3つの方法
東京の六本木で聖心美容クリニックを経営する 鎌倉 達郎 先生が監修した記事では、産後の便秘改善策に次の3つを挙げています。
- 水分をしっかり摂取する
- 休息する時間を作る
- ヨガやストレッチを行う
※参考サイト:ヘルスケア大学「産後の便秘の原因と解消法」
先に紹介したとおり、通常、母乳は毎日600〜800ミリリットル作られます。
ママは自分のために1リットル、母乳のために1リットルの合計2リットルの水分を摂取するように心がけましょう。
妊娠前と比較すると、1日あたり1リットル多く水分を摂る計算となります。
また、産後のママは3時間おきの授乳から頻繁なオモツ交換。さらに家事も合わせるとヘトヘトな状態です。
そこで提案なのですが「育児だけに専念する」というのはいかがでしょうか?
開き直って「家事は後回し」「パパに協力してもらう」というスタンスです。
赤ちゃんが寝てる時に一緒に寝るなど、少しでも休む時間を作るように心がけるだけで自律神経の安定につながります。
最後に「ヨガやストレッチを行う」ことで運動不足を解消する方法です。
蠕動(ぜんどう)運動は、腸などの臓器の収縮運動ことです。
これは便を移動させる役割があります。この蠕動運動を促して、排便を快調にするためには、継続的に運動することが重要です。
ちなみに、ヘルスケア大学では便秘の改善対策として「便秘に効くヨガポーズ」「便秘に効くストレッチ」の効果的な運動を紹介しています。
5.オリーブオイルを使用した便秘改善方法
健康・美容サイトで月間100万以上のアクセスを集める『Zigen(ジゲン)』さんは、便秘の解消法としてオリーブオイルを使用することを提唱しています。
オリーブオイルは水分よりも粘度があるので、便をしっかりとコーティングして、するっと出しやすくします。
じっさいに、オリーブオイルを多く使うスペインでは、便秘で悩む人は少ないそうです。
Zigen「産後の便秘|薬を使わずに即効で改善するための4つの方法」より
方法は簡単で、料理にできる限りたくさんのオリーブオイルを使用します。
これだけで硬くなった便を軟らかくする効果があり、気持ちよく便を出すことが出来るようです。
ただし、あまり使い慣れてない方が急に大量に使用すると気持ち悪くなる可能性があります。
少量ずつ使って慣れさせていく、というやり方が良いかもしれませんね。
まとめ
それでは、これまでの解説をまとめますと、産後の便秘の主な原因には次の2つが挙げられます。
- 会陰切開の傷が怖くて、排便時に力を入れたくない
- ママの体内に保有する水分量が少ない
その他にも自律神経の乱れ、育児ストレス、または運動不足による腸の働きの低下などの原因も挙げられます。
便秘の改善対策は次の通りです。
- 水分をしっかり摂取する
- 休息する時間を作る
- ヨガやストレッチを行う
産後すぐの入院中の便秘の可能性がある場合、助産師さんにすぐに相談すると早期解決につながるでしょう。
また産後、下半身に何かしら違和感を感じる方は、こちらの記事も参考にしてください。