「旦那といるとイライラする」「旦那と一緒にいたくない」など産後、旦那さんと少し距離を置きたいと思うママさんは、おそらく育児の疲労が貯まっていることでしょう。
このままの状態だと最悪のケース、産後離婚にまで発展することもあります。
ここでは、そのような事態に陥る前の対処法を解説します。まず産後のママの実情、日本の夫婦の現状、そしてイライラを解放するための1つの提案を示します。
旦那にイライラするママ、2つの事例
次のケースは、旦那さんは育児に協力するのですが、浅はかな言動でママさんを悩ませているお話です。
産後旦那との仲がギクシャクしてます。私、冷めてきてます。
<中略>
まず、子供とお風呂に入りません、こわいみたいです。
<中略>
オムツ替えも最悪です。子供が大をした時です、私は手があいていなかった為旦那に替えてほしいとお願いしました。
はいよ…って感じで始まり、次に「オエッ!くせー!オエッ!!!」って替えの間ずっと大声で言うんです。<中略>
その返答が「泣いたら泣かしとけばいーんでしょ」です。
ムカつきました。
産後すぐの頃、私は赤ちゃんの泣き声で気持ちが焦ってしまったり、イライラしてしまうので泣いたら抱っこをしていました。GIRL’S TALK「家庭 > 夫婦関係」より
これはアビーさんというママさんからの質問投稿の一部です。産後5ヶ月の頃、夫との関係がうまくいかず悩んでいた時期に質問しています。
一般的にママは常に赤ちゃんのことを考え、向き合っているのに対し、旦那さんの浅はかな言動・行動は確かに憤りを感じます。
しかし、次のケースは育児にも協力的な旦那さんなのに、なぜかママさんがイライラしてしまう、という内容です。
ママになる前には夫のことを嫌いなんて思ったこともなく、どちらかというとラブラブで夫婦仲はいい方でしたが、まさか自分のなかにもこのような変化があるとは思いませんでした。
ひどいときには、あまり近寄ってほしくないし、触られるのも嫌に感じました。
どうしてこのように変わったでしょう。もう昔のように仲良し夫婦に戻れないのかしらと何度も何度も不安に感じました。
ママズアップ「【体験談】産後旦那が嫌いに…昔のように仲良しになる克服方法とは?」より
こちらは娘さんを持つママライターの産後直後の時期の記事です。
先のケースとは真逆で、旦那さんが協力的にも関わらずイライラしてしまう理由として、ママの心の状態が不安定になっている可能性があります。
ちゃんと赤ちゃんを育てなければというママの“責任感”。それと毎日の数時間おきの授乳やおむつの交換による“疲労”。さらに産後は女性ホルモン(生理のリズムを整えて、妊娠・出産ができる体をつくる役割)のバランスが大きく崩れます。
これらが重なり、正直ママは一杯の状態です。この状態が深刻になると産後離婚という悲劇を招きます。
次では産後離婚の日本における現状についてお話ししましょう。
産後離婚の現状
日本における母子家庭の35%が、産後2年以内に離婚をしている、というショッキングな状況が最近、厚生労働省の調査により明らかになりました。
次のグラフをご覧いただくと、把握しやすいかと思います。
参考:厚生労働省・全国母子世帯等調査結果報告「ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢」より
続いて日本における離婚申請をした妻側、夫側のそれぞれの離婚理由は次の通りです。
○離婚申請をした妻の理由
- 1位:性格が合わない
- 2位:暴力を振るう
- 3位:異性関係(不倫問題)
○離婚申請をした夫の理由
- 1位:性格が合わない
- 2位:異性関係(不倫問題)
- 3位:性的不調和(セックスレス)
司法統計「家事 平成26年度 婚姻関係事件数 申立ての動機別申立人別」より
結果的に双方で多かった離婚理由は「性格が合わない」ということでした。
最初はあんなに仲良かった夫婦の結末が「性格が合わない」という理由は、主観的な感覚ですが正直、違和感を感じました。おそらく、夫婦間の日々のすれ違いが積み重なり、もう後戻りが出来ないほどの溝ができてしまった結果なのでしょうか。
もちろんこれはあくまで最悪な状態に至ったケースです。
そこでこのような悲劇を打開するための方法として、夫婦が円満になる3つのステップをご紹介しましょう。
夫婦が円満になる3つのステップ
ママが辛い時期、誰が一番支えることができるでしょうか?もちろん、あなたの旦那さんです。選択肢はこの1つ以外ありません。
旦那さんを味方に付けることで育児を改善することは可能です。そんな夫婦が円満になる3つのステップは次の通りです。
- まず旦那さんの気持ちを理解してあげる
- 旦那さんを育児上手に育てる
- 旦那さんと赤ちゃんが2人で過ごす時間を作る
結論を申しますと、普段から旦那さんに赤ちゃんのお世話を手伝ってもらうこと。そして、夫婦お互いが感謝し合える仲でいられることが夫婦円満のコツです。
ここではその3つのポイントを1つ1つ解説していきます。
1.まず旦那さんの気持ちを理解してあげる
育児にあまり積極的に参加できない旦那さんは、たいてい次のように考えています。
- 赤ちゃんをどう扱っていいか分からない
- 育児をするママの大変さを理解していない
普段から育児をしているママからすると、旦那さんのもたつく姿を見て「なぜそうなる?」ともどかしい気持ちになります。ママによっては見ていられなくなって、行動を奪ってしまう方もいるのではないのでしょうか?
でも、旦那さんは「育児をどう手伝えば良いのか分からない」だけなのです。手伝ってもらいたいときは細かく指示を出すと良いです。
「自分がやった方が早い」と横取りするのはNG。まずは全て旦那さんに任せましょう。
次にほとんどの旦那さんがママの育児の大変さを全然理解していない事実も知りましょう。
実際、私も同様に会社から帰ってきた旦那に「(台所のシンクを見ながら)汚れた食器がそのままだけど、1日何してるの?」と言われたことがあります。
正直、イラついたのとショックだったのが混じって不思議な感情が私の中をグルグル回っていたことは覚えています。
そんな旦那さんには、実際にママに代わって1日育児を体験、惨敗した旦那さんの次の記事を読んでもらいましょう。
こんな怪獣と24時間365日共に過ごす妻は心から凄い。心からの感謝と、私が間違っていましたという思いを込めて、息子と買いに行ったケーキを献上した。
仕事が忙しいなんて愚痴を吐いて、ごめんなさい。
結論:晩ご飯なんて作ってる暇無い、他の家事をこなしているだけで凄い
三十路男の悪あがき「『育児疲れで晩ご飯が作れない』って妻が言うから実際に検証してみた」より
この三十路男さんの記事で、世の旦那さんたちに少しでもママたちの大変さが伝わればと思っています。
2.旦那さんを育児上手に育てる
出産後、ママは本当に大変です。不慣れな育児から来る精神的な負担、妊娠前の体型に戻す働きによる体力的な負担など、それこそママは心身共に疲弊します。
でも旦那さんの考えていることが分かれば、イライラすることがバカらしく感じてきます。
そこであなたにお勧めする次のステップは“旦那さんを育てる!”です。育児に肝心をもってもらい、自ら参加していく姿勢を持つまでに育てあげます。
そのためにまず、次の4つの手順で進めましょう。
- 「パパだよ」と言って抱っこさせる
- 旦那さんに何かお願いするときは気遣う
- 細かく具体的にお願いする
- 旦那さんをほめて、さらに感謝の言葉を伝える
産後、すぐの時期に旦那さんとしての自覚をもってもらうためにママは働きかけます。
その一番簡単な方法が「パパだよ」といって、なるべく赤ちゃんを抱っこしてもらうことです。抱き方がぎこちなければママは優しく指導してあげてください。また、週末のお風呂は旦那さんに必ず入れてもらう習慣も効果的です。
習慣づけるために頻繁にやってほしいのですが、無理強いは禁物です。旦那さんの様子を見て「少し疲れているかな?」と思うときは控えましょう。
次に何かお願いするときは、必ず旦那さんを気遣ってくください。命令口調は誰だってイラッ!としますね。例えば「洗濯物干したいから、赤ちゃんをちょっとだけ見てもらってもよい?」「食器洗うからその間、ミルクを赤ちゃんにあげてもらっても良いかしら?」のようにです。
ここは親しき仲にも礼儀あり。頼みたいときは丁寧にお願いしましょう。
そして育児を手伝って欲しいときは具体的に細かく指示を出しましょう。「オムツを交換するときは側にお尻ふきを置いて、使用済みのオムツはこのゴミ箱に入れてね。」のようにお願いします。
最後に頑張った旦那さんをほめてあげます。
確かに普段から赤ちゃんに接してるママさんからすると、1つ1つの行動がノロく見えて少しもどかしく感じるかもしれません。でも慣れないことに一生懸命に頑張っている旦那さん、可愛くないですか?
なので絶対に旦那さんの作業を途中で奪うのNGです。「さすが、パパ!赤ちゃんがうれしそうだよ!」とほめてあげましょう。きっと旦那さんに自信が付くはずです。
また旦那さんに感謝しましょう。これは夫婦関係の以前に人間の信頼関係において、非常に重要なことです。
お互いに感謝し合えて・信頼し・ねぎらうと、夫婦の絆は自然と深まっていきます。そんな暖かい両親に育てられた赤ちゃんは、きっと幸せになります。
3.旦那さんと赤ちゃんが2人で過ごす時間を作る
旦那さんが育児を楽しんで、積極的に参加するようになったら、旦那さんと赤ちゃんが2人で過ごす時間を作ってみましょう。これには、次の2つの効果が期待できます。
- ママは育児から一時だけ離れて、自分のリラックス時間ができる
- 旦那さんが赤ちゃんとの関係を育む大切な時間ができる
ママは育児で心身共に本当に疲弊しています。特に心の余裕がなくなると、マタニティブルーなどの軽いうつ症状が現れることもあります。
この様な事態を回避する方法は、ママがリラックスできる時間を作ることです。美容院にいって気分転換をしたり、カフェで10分でもかまいません。
そして旦那さんと赤ちゃんが2人だけで楽しく過ごす時間を設けることが出来れば、2人の関係を育む貴重な時間となることは間違いありません。
まとめ
20年以上も寄り添って結局、離婚した経験を持つある心理カウンセラーは、ご自身の体験から「夫を教育し、もしも敵であるように感じているならば、味方にしていきましょう。」という言葉が印象的でした。
繰り返しとなりますが、夫婦の関係が円満になるコツは、日頃からパパに育児を手伝ってもらい、夫婦お互いが感謝し合える仲でいられることです。
旦那さんはママさんを愛した人です。きっと最高なサポーターになってくれるはずです。