帝王切開を終えたママも、これから控えているプレママも「産後の体調がどう回復していくのかな」とよぎったかもしれません。
妊娠して10ヵ月かけて劇的に変化した体が、出産を機に一気に元に戻っていきます。
でも本当にちゃんと体が元に戻ってくれるのか心配になりますよね。
産後、母体の回復を早める効果があるものとして「産褥(さんじょく)体操」があります。
産後、ママの体が回復する6〜8週目を「産褥期」と言い、この時にできる簡単な体操のことです。
産褥体操は、産後の体の回復を早めるのが目的です。妊娠・出産でママの体は大きく変化していて、疲労も蓄積しています。
産後6〜8週目くらいまでの産褥期に少しずつ回復していきますが、そこで産褥体操をすることで回復が早まる効果が期待できるのです。
引用元:こそだてハック「産褥体操のやり方や目的は?いつから始めるのがいいの?」
このページでは、産褥体操とはどの様なものなのか、また帝王切開後でもできるのかについて分かりやすく解説していきます。
帝王切開を経験した筆者だから語れる部分もありますので、興味深く読み進めていただけますよ!
1.帝王切開後に産褥体操はできる?
結論を申しますと、帝王切開後でも産褥体操はできます。
ただ、産後の母体の回復具合は個人差があり、手術後ということもあるため 医師や助産師からの許可が出てからというのが絶対条件です。
許可が出た場合、簡単な産褥体操を行うことができますので、この後の項目でご紹介しますね!
産褥体操を行うことで、次のような効果が期待できます。
- 妊娠・出産で伸びてしまった筋肉の引き締め効果
- 血行不良やそれに伴うむくみの改善
- 母乳の分泌促進
- 悪露の排出を促し、子宮の回復を早める
マタニティ、婦人科系専門の施術家である湯川 優さんが監修した記事では下記のように解説しています。
普段はつながっている左右の腹筋が伸びて開き、尿道や膣を引き締める骨盤底筋がゆるんでいます。
こうした筋肉の変化は何をしなくても自然に回復しますが、産褥体操をすると筋肉が引き締まり、血行も良くなります。産褥体操で血行が良くなると、母乳の分泌にもよい影響を与えます。
そのほか、静脈瘤の改善や血栓症の予防、悪露の排泄を促して子宮の収縮を早めるなどの効果も期待できます。
引用元:こそだてハック「産褥体操のやり方や目的は?いつから始めるのがいいの?」
産後はなるべく早くに離床して体の機能の回復を促すことが 推奨されていますので、産褥体操をすることも母体の回復に有益といえますね。
帝王切開後の傷の痛みがひどい場合や体調の悪化などがない場合は、産褥体操にチャレンジしてみてくださいね。
それでは続いて産褥体操のやり方についてお話ししていきます。
2.帝王切開後におすすめの産褥体操は?
おそらくこちらのページに来られた方は、帝王切開の傷を気にしながらの体操をお知りになりたいと思いました。
そこでここでは産後、まだ入院中にできる体操をメインにご紹介していきます。
まず産後、最初にできるのが足先の運動と腹式呼吸です。
この2つは寝たまま行うことができるので、帝王切開後でも比較的負担が少なく済みます。
足先の運動は寝たままつま先を伸ばしたり立てたりとパタパタ動かすものです。
慣れてきたら左右にも開いたり閉じたります。膝を曲げないで行うのがポイントです(下記動画参照)。
次の腹式呼吸は、お腹を空気で膨らませるように息を吸って、少し呼吸を止めてから ゆっくり吐くという動作を1セットとし、1日5回程度行います(下記動画参照)。
参考ページ:ベビーカレンダー「産褥体操の目的や効果とは?寝ながらできる産褥体操の方法を解説」
※ここからは実際に筆者が行って改善を感じた体操です
産後4日ほど経って体調に問題がなければ、下半身の引き締め運動を行うことができます。
仰向けに寝た状態で膝をたて、膝同士をくっつけます。
その状態で「お尻の筋肉」→「肛門」→「膣口」→「尿道」に向かうように力を入れていきます。
尿道まで力を入れたら2秒ほどその状態を維持し、ゆっくり力を抜きます。
1日に10回程度行うと良いとされています。
起き上がれるようになったら体育座り、もしくは正座の状態でも行えます。
それぞれ決まった回数はありませんので、思い出したときや 気分転換に行うのが良いでしょう。
帝王切開後は傷の痛みと後陣痛の痛みで思うように体が動きません。
無理せずゆっくりとできるものをできるときに行ってみてくださいね! その際、食前食後は避けてください。
3.産褥体操は身体の回復を早める!
産褥体操の効果については先ほど簡単にお伝えしましたが、具体的にどのような嬉しい効果があるのか、もう少し詳しくお伝えします。
産後の尿漏れの予防
産褥体操によって筋肉の引き締めを行うと、産後の尿漏れの予防になります。
帝王切開での出産でも尿漏れに悩む人は多く、その予防としてとても有効です。
筆者も帝王切開での出産後、尿漏れが半年ほど続いて悩みましたが、下半身の引き締め運動を勧められて行ったところ改善していきました。
母乳が出やすくなる
また母乳の分泌に関しても、特に初産の場合は乳腺が完全に開いていないので、母乳が出にくいと悩むママも少なくありません。
産褥体操による血行促進は母乳の分泌も良くしますので、母乳に関する悩みの解消にもつながるのは嬉しいですよね。
悪露の排出を促進
そして悪露の排出に関してですが、帝王切開の場合、経腟分娩よりも 長引くことが多いと言われています。
悪露の排出が長引くと子宮の回復も遅れてしまいますし、いつまでもスッキリできません。
産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなるので、余計な煩わしさは感じたくないですよね。
先ほどご紹介した“下半身引き締め運動”は、悪露の排出を促進する効果があるので、退院後も是非継続して行ってほしい体操です。
産後すぐの産褥体操では、むくみ防止や母乳の分泌促進などに効果的なものを行います。
体操によって血液の循環が良くなると、悪露の分泌促進や子宮収縮の戻りがスムーズになることなども期待できます。
引用元:Mamanoko「産褥体操の効果や行う時期は?おすすめ産褥体操と注意点」
このように、帝王切開後に産褥体操をするのは とても効果的な母体、そして子宮の回復方法といえるのです! 特に筋肉の引き締めは産後の尿漏れの予防、母乳の分泌促進は産後の不安定な心身の安定にもつながります。
また、悪露の排出は帝王切開の場合長引くこともありますので、帝王切開後に産褥体操をするのはとても効果的な子宮の回復方法といえるのです!
4.無理は禁物!焦らずゆっくり身体を回復させよう!
産褥体操は激しい体操ではなく、ゆっくりとした動作でリラックスしながら行うものです。
そして身体の機能を取り戻すことを目的として行うため 劇的な体の変化があるわけではありません。
産後のママの体は大きなダメージを追っています。
少しずつ少しずつ元の体に戻していくために、産褥体操のゆっくりとした動きは 程よい疲労感で、出産後の運動にとても適しているといえるのです。
早く妊娠前の体形に戻したい…と思うママもいるかもしれません。
しかし、産後はゆっくり休める時間は取りづらく、疲労はどんどんたまっていきます。
休めるときは休み、しっかりと回復してから産後ダイエットは始めるようにしましょう。
また、産褥体操に関しても無理をせず、できる範囲で行ってくださいね。
産褥体操を習慣化していると、その後の産後ダイエットにも取り組みやすくなりますよ。
帝王切開後に産後ダイエットをするときの注意点は、傷口の完治と体力の回復を最優先にすることです。
産後ダイエットは早く始めるほうが効果が高いといわれますが、無理をすると回復が遅くなってしまうことも。
引用元:こそだてハック「帝王切開後の産後ダイエット!骨盤の歪みに効くエクササイズ5選」
しっかりとした睡眠と休息が取れるのは入院中の特権でしょう。
退院後、育児を頑張っていくためにも、入院中は産褥体操をうまく取り入れて、体調の回復に役立ててくださいね。