出産後、ママは育児による疲れや、産後の体内のホルモン変化などの理由から頭痛を引き起こすことがあります。
ここではその頭痛の原因と誤った対処をしないために重要なこと、そして対処法・予防法について解説していきます。
専門用語はすべて補足を入れています。読みやすくなっているので安心してください。
1.産後の頭痛で知っておくべき重要なこと
産後のママを襲う頭痛には、主に次の2つがあります。
- 偏頭痛(へんずつう):ズキンズキンと脈を打つような強い痛み
- 緊張型頭痛:頭の両側をギューッと締めつけられるような痛み。重苦しい鈍痛
埼玉国際頭痛センターで医師を務める坂井 文彦先生は、それぞれの頭痛は対処法が異なるため、どちらのタイプかきちんと知っておくことが大切である、とアドバイスしています。
「偏頭痛(片頭痛とも呼ぶ)」とは、頭の片側に痛みが起こることが多いのが特徴です。頻度としては週2回〜月1回程、ときどき起こります。
動くと痛みが悪化するため、ベストな対処法としては暗い静かな場所で横になって休むことです。横になれない場合は椅子に座って安静にします。
「緊張型頭痛」とは、頭の両側、頭全体、または後頭部が痛むのが特徴です。頻度として毎日のように起こって持続します。
この頭痛はストレスが原因であることが多いため、対処法は適度に体を動かして筋肉をほぐす、または入浴やマッサージで血行を促すようにすることです。
対処法だけを見ても異なることがお分かりいただけたかと思います。そこで、それぞれについてもう少し詳しく見ていきましょう。
2.産後、偏頭痛の原因と対処法
2−1.偏頭痛の原因
偏頭痛は、何らかの理由で脳の血管が急激に拡張して起きる痛みです。
一般的には仕事のない週末など、心と体がある緊張やストレスから解放された時、急に血管が拡がって片頭痛が起こりやすいと言われています。
産後ママの場合、妊娠中には活発だった女性ホルモン(生理のリズムを整えて、妊娠・出産ができる体をつくる役割)が産後、急に減少することでホルモンバランスが崩れます。このことが原因だとも考えられています。
その他にも寝過ぎ、寝不足、疲労、空腹、光や音の強い刺激なども原因とされています。
2−2.偏頭痛の対処法
とにかく横になることです。もし横になれない場所であれば、椅子に座って安静にするのも効果的です。
光や音の刺激が頭痛に影響を及ぼしていることがあるので、可能であれば暗い静かな場所に横になるとよいでしょう。
痛む箇所に保冷剤をくるんだタオルや冷却シートなどを当てて冷やすようします。そうすると血管が収縮されるので、少しは痛みが和らぐでしょう。一方、マッサージや入浴は血管を広げるのでNGです。
2−3.偏頭痛の予防法
普段の生活を見つめ直すと、偏頭痛を予防することが出来ます。主に次の2つの方法が効果的です。
- ストレスを解消する
- 規則正しい生活を行う
それでは1つ1つ解説していきましょう。
2−3−1.ストレスを解消する
産後はストレスが溜まりやすいのが当たり前です。そこで産後のストレス解消法として次の5つの方法があります。
- 家事は完璧にしなくて良い
- パパに思っている事をしっかり伝える
- ママ一人だけの時間を作る
- パパを育てる
- 思い切って子供をパパに預けて外出する
各項目について、さらに詳しい内容は「出産後にイライラする原因と5つの対処法」で紹介しています。
2−3−2.規則正しい生活を行う
先ほど解説したように寝不足、寝過ぎ、疲労、空腹などが偏頭痛の原因とされています。このため生活リズムを崩さない日々を過ごすようにしましょう。
食事も栄養バランスが整ったものを食べるのが良いのですが、産後のママは育児に専念していてそれどころではありません。そこでお勧めなのが「利用できるものは利用してみる」です。
例えば生協の宅配パルシステムを活用したり、飲食店のテイクアウトを活用してなるべく1日3食とるようにすることです。詳しくは「出産後、家事はいつから?家事を頑張らない3つの方法」をご覧ください。
また次の食品は片頭痛を引き起こす原因と言われています。NG食品と考えて控えるのがベストです。
- ヨーグルト
- チーズ
- チョコレート
- ハム
- 赤ワイン
以上が偏頭痛の対処法・予防法となります。
3.産後、緊張型頭痛の原因と対処法
3−1.緊張型頭痛の原因
緊張型頭痛の原因は、メンタルや身体によるストレスが重なった時に起こると考えられています。
メンタルによるストレスとは、毎日の授乳・おむつ交換に加え、赤ちゃんをあやすなどの不慣れな育児によって、精神的に溜まっていくストレスのことを指します。また、身体によるストレスとは、赤ちゃんを抱っこしたまま長い間同じ姿勢をとり続けることや、体を冷やすことで起こります。
育児疲れでママが旦那さんにあたるような行為も精神的ストレスとして頭痛を起こす原因となります。
3−2.緊張型頭痛の4つの対処法
緊張型頭痛の場合、病院では特に治療を必要としないようです。日頃の生活改善や体操をすることで良くなります。
そこで次の4つの効果的な対処法を挙げます。
- ストレスを解消する
- 少しでも睡眠をとるように心がける
- 頭痛体操を行う
- お風呂に入って血行を促す
それぞれ詳しく解説していきましょう。
3−2−1.ストレスを解消する
「2−3−1.ストレスを解消する」で解説している内容と同じなので、ここでは割愛します。
3−2−2.少しでも睡眠をとるように心がける
しっかり睡眠をとりましょう・・とは言っても3時間おきの授乳でママがゆっくり寝ることはできません。それなら赤ちゃんがお昼寝する時に少しでも一緒に寝て、こまめに休むことを心がけましょう。
ここで重要なのが「育児に専念する」と意思決定することです。極端な話、家事なんかやらなくてもいいや!くらいに開き直ることも大事です。
もしパパが「料理くらい作ってほしい」と甘えてきたらエンジニア・ブロガーである三十路男さんの記事「『育児疲れで晩ご飯が作れない』って妻が言うから実際に検証してみた」を読んでもらい、逆に協力してもらいましょう。
また、特に産後1カ月は必ずゆっくり休む必要があります。そのことについて「出産後1ヶ月はゆっくり休むべき本当の理由」で詳しく解説しています。
3−2−3.頭痛体操を行う
埼玉国際頭痛センターの坂井 文彦先生が監修する記事「頭痛体操」を行うことで、緊張型頭痛の痛みを和らげる効果があるようです。
そもそもこの緊張型頭痛は、ストレスによる首・肩の筋肉が緊張を続けて、こり固まったような状態となっています。そこでこの体操を行うことで筋肉のこりや疲れをとり、頭痛を和らげるというものです。
画像引用元:スッきりんのバイバイ頭痛講座「1日2分の頭痛体操」より
3パターンほどの簡単な体操を数分行うだけですので、もちろんご自宅で手軽にできます。
3−2−4.お風呂に入って血行を促す
「マッサージをしても、筋肉は柔らかくなりません。むしろ逆に、筋肉のコリがひどくなってしまう可能性があります。」と語るのは、緊張型頭痛の患者さんを根本的に改善する方法で治してきた FMT整体 さんです。
そこで、緊張型頭痛を解消させるためには
1.首のカーブを取り戻して筋肉を緊張させないようにする
2.その上で頭痛を引き起こしている筋肉を柔らかくする
この2つが大切になります。
FMT整体「緊張型頭痛を根本的に改善するための治療法と本当の原因 」より
つまり、いきなりマッサージをやってもらうではなく、体全体の筋肉の緊張を改善していくことで、この頭痛を解消するというものです。
そのためには日頃、自宅でできる緊張型頭痛が緩和される方法を次の通り挙げています。
- お風呂に1日2、3回入る
- 寝る時間を早くする
- 適度に筋肉を動かす
FMT整体 さんの記事は、緊張型頭痛で悩んでいる方のために非常に親切に解説されています。
まとめ
しっかりご理解いただきたかった点はこの2つだけです。「偏頭痛の場合は、横になって安静にする」「緊張型頭痛の場合は、お風呂に入って血行を促す」
またあまりに頭痛がひどく、育児も難しいという場合はすぐに病院に行きましょう。
その他に痛みのある体調不良を感じた方は、こちらの記事も参考にしてください。