出産日を控えて妊娠中の方はやっと赤ちゃんに会える嬉しさ半分、不安半分でしょうか。
ここでは“前兆”の意味を「出産直前に起こる母体への現象」と解釈して、次の3つの症状についてご紹介していきます。
医療用語は全て噛み砕いて分かりやすく解説していきます。
はじめて出産する方は安心して読み進めましょう。
※ 出産の“予兆”(=出産につながる兆し)については「出産間近、知っておくと安心できる6つの予兆」でご紹介しています。
1.おしるし
おしるしの特徴について、三重県津市で産院を営む山本産婦人科では次のように表現しています。
“ドロッとした血の混じったおりもの”として自覚されるのが特徴です。
山本産婦人科「妊娠末期の出来事 いつ入院したらいいの?」より
おしるしとは、生理の時のような出血のことですね。
少しおさらいとなるかもしれませんが、妊婦のお腹の中にある赤ちゃんを育て守る臓器のことを子宮(しきゅう)と呼びます。
この子宮の中には赤ちゃんを包む羊水(ようすい・後述の「2.前期破水」で解説)を貯めている袋(=卵膜・らんまく)があります。
出産前は子宮内の壁と卵膜はピタリとくっついていますが、子宮の出口が開いてくると壁と卵膜にズレが生じて少量の出血が起こります。
下記イメージをご覧いただくと分かりやすいでしょう。
画像引用元:山本産婦人科「1.“おしるし”」
おしるしの量や色には個人差があります。
生理のはじまり程の出血は異常ではないので安心してOKです。
また色味も赤やピンク、茶色と赤基調の色となります。
あと、おしるしがあってもすぐに産まれる訳ではないので、慌てて病院に駆け込む必要はありません。
陣痛が翌日に開始した人もいれば、数日かかる方もいます。
「間もなく陣痛が始まる合図」と理解して、入院準備を見直しておきましょう。
ただし、大量の出血を確認したり、強い痛みがある場合はすぐに病院に連絡してください。
2.前期破水(ぜんきはすい)
破水とは、卵膜が破れて中にある水分(羊水・ようすい)が子宮に向かって流れ落ちることです。
次のイメージをご覧ください。
画像引用元:妊娠@ガイドブック「破水とは?(前期破水、遅滞破水)」より
破水すると少しずつ流れ出るため尿と区別が付きにくいケース、まるで水風船が割れたような音とともに勢いよく羊水が流れ出るケースなど様々です。
通常は陣痛も終盤にさしかかって、赤ちゃんが産まれる直前に破水します。
しかし、陣痛がまだ起きていない段階で破水することを「前期破水」と呼びます。
破水してから出産までのタイムリミットは、24時間〜72時間以内です。
「これは破水かな・・」と少しでも迷ったら病院に連絡して相談しましょう。
前期破水の原因には様々な原因が考えられ、特定することが難しいことも特徴です。
主に出産前のセックス、多胎妊娠(たたいにんしん・双子などの赤ちゃんが2人以上の妊娠)、羊水過多(ようすいかた・羊水が多過ぎる)、高齢出産、喫煙、性感染症などが考えられます。
前期破水の対処法について、主に次の3つがあります。
- すぐにかかりつけの産院へ連絡
- 産院への移動はタクシーを利用
- 破水したままの状態で病院へ行く(シャワーNG!)
詳しくは「破水から出産までの時間は?パパも知るべき3つの対処法」をお読みください。
3.前駆陣痛(ぜんくじんつう)
陣痛とは、子宮がしぼんで赤ちゃんを外へ押し出そうと体が働く時の“痛み”のことです。
最初は背中から痛くなって、次第に腰へと痛みが移ります。
一般的に陣痛の時間は、初めて出産するママで 12〜16時間、2人目以上で 5〜8時間かかると言われています(日本産科婦人科学会より)。
画像引用元:萬育堂薬房 健康通信「ママになりたい~(*^_^*)子宮卵巣カッサの動画ご紹介!」
この陣痛には次の2種類あります。
- 前駆陣痛
- 本陣痛
前駆陣痛は、出産前の陣痛とは異なり、痛みと痛みの間隔や痛みの強弱はバラバラで不規則なのが特徴です。
“出産の準備段階の陣痛”と言われているもので、痛みはありますが子宮口は開いていません。
一方、本陣痛とは、もうすぐ赤ちゃんが産まれる本番時の陣痛です。痛みの間隔や強弱は一定です。
特徴的なのは前駆陣痛は痛みで目が覚めても再び寝れますが(個人差あり)、本陣痛は寝ることはできない程の痛みです。
また前駆陣痛は必ず起きる症状ではなく、ママの中には前駆陣痛なしで、そのまま本陣痛を迎えた方もいます。
特に初めて出産をするママは、前駆陣痛でも必要以上に敏感になって病院へ駆け付けたい衝動にかられます。
慌てずに行動するためにも「はじめての出産!陣痛が来た時の対処法など5つのポイント」を是非、ご一読ください。
まとめ
それぞれ、出産前の重要な前兆なのでしっかり覚えておきましょう。
- おしるし
- 前期破水
- 前駆陣痛
そうすることで出産当日はパニックに陥ることなく冷静に行動できるでしょう。