妊娠してから「急に肌が乾燥するようになったかも…」とお悩みではありませんか?
実際、妊娠初期の妊婦さんに乾燥などの肌荒れが特に見受けられます。
ここでは、乾燥肌に悩んだ先輩ママたちの声、妊娠初期の乾燥肌の原因など次の流れで解説していきます。
難しい言葉は一切使わずに、分かりやすく書きました。妊娠ガイドとしてご利用いただけると嬉しいです。
1.妊娠中に乾燥肌に悩んだママの声
「妊娠すると突然、肌が乾燥しやすくなる」というのは本当でしょうか?
筆者である私が、妊娠中に利用させていただき、とても助かった口コミサイト『WOMEN’S PARK(ウィメンズパーク)』(特にローカルな口コミの情報量はダントツだと思います)。
この中で妊娠中に乾燥肌に悩んだママの声をご紹介していきます。
私も乾燥肌で今妊娠中なのですが、妊娠したら肌質も変わり、ますます乾燥するようになりました。
ペンネーム:みいたろうこちゃん
元々乾燥肌なのに、妊娠してからより乾燥が強くなって、粉ふきいもみたいです。
ちびっこりえ☆さん
元々は妊娠線予防じゃなく、妊娠してから乾燥で痒くなるようになってしまい、保湿のために3ヶ月に入る頃から(ニベアの青缶を)塗り続けてます。
ペンネーム:モフ組
今日から16wの三人目妊娠中の妊婦です。
上2人のときは肌荒れもそんなになかったんですが、今回の妊娠では肌荒れが酷く皮膚科に通っています。
保湿しても保湿しても乾燥してしまい、皮膚がボロボロと剥げてくるんです>_<
皮膚科の薬と重炭酸の入浴剤で大分良くなったものの、まだ乾燥してます…
ペンネーム:★ゆづまま1115★さん
今まで気付かなかったけど、胸の下半分がカッッサカサで!!触るとハラハラ皮膚が剥がれます(T_T)乳首の皮膚もシワシワ~(T_T)
何で今まで気付かなかったんだろうと衝撃です。。。
もうすぐ出産なので、今更お高い妊婦専用クリームを買う気になれず…
ペンネーム:モコモコきっちゃん
いかがでしたか?
上記でご紹介したように、「妊娠してから急に乾燥肌になった」「元々乾燥肌だったけど、さらにひどくなった」など、妊婦さんによって様々な症状がうかがえます。
ではなぜ、妊娠すると乾燥肌になってしまうのでしょうか?次で分かりやすく図解で解説します。
2.妊娠初期に起こる乾燥肌の原因
乾燥肌の原因を外部環境(湿度が低い季節、エアコンなど)による影響と考えてしまいがちですが、妊娠すると肌が乾燥しやすくなります。
この主な原因は次の3つと考えられています。
- 女性ホルモンの変化
- 水分・栄養の不足
- 便秘
それでは1つ1つ分かりやすく解説していきますね。
2-1.女性ホルモンの変化
妊娠期には、女性ホルモンの分泌が活発になります。
その中でも体に大きな影響を与えるとされる、下記2つの女性ホルモンがあります。
- エストロゲン(美肌ホルモン)
- プロゲステロン(不細工ホルモン)
「エストロゲン」は妊娠に備えて女性らしい体作りをサポートするために分泌される女性ホルモンの1つです。
つややかな肌・豊満な胸・たくさんの髪などは、このホルモンの働きによるもの。
一方、「プロゲステロン」は妊娠を助ける欠かせない女性ホルモンですが、生理前のように肌荒れ・むくみ・イライラなどの原因と言われています。
ここでは説明を分かりやすくするため、それぞれ「美肌ホルモン」「不細工ホルモン」と呼びますね(笑)
妊娠初期は不細工ホルモンの量の方が多い
続いて、妊娠中にこの2つの女性ホルモンがどれだけ活発化するかを示すこちらのグラフをご覧ください。
▲参照画像:gooベビー「体のあちこちに色素沈着!原因はホルモンにあり」
妊娠初期の4〜15週(妊娠2〜4ヶ月)の時期に乾燥肌などの肌トラブルが多い理由は、グラフからも分かる通り不細工ホルモンが、美肌ホルモンよりも増加しているからです。
だいたい妊娠18週頃に2つの女性ホルモンは同じ量に達し、これ以降は美肌ホルモンの量が上回る状態になります。
つまり、妊娠初期の乾燥肌はどうしようもないことなのです。
なので「乾燥肌をどうにかしなくては!」とストレスを感じる必要はあまりないのです。
乾燥肌対策については、後ほど解説します。
2-2.水分・栄養の不足
元愛育病院院長の堀口 貞夫先生の監修した記事に「妊婦さんの10人中8人までが、つわりを経験する」とありました。
80%の妊婦さんといえば、ほとんどの方が経験することになります。
つわりは「胎盤ができて、赤ちゃんが育っている証拠」という喜ばしい状況です。
ただ一方で、妊婦さんの食事にかたよりができ、水分や栄養が十分に摂取できていないことを銀座ケイスキンクリニック院長の慶田(けいだ)先生は指摘しています。
(つわりで)甘いものや脂っぽいものしか食べられなくなる人も多いでしょう。
そのため、美肌に欠かせないミネラルやビタミンが不足しがちなのです。
引用:スキンケア大学「妊娠中の肌荒れの原因と対策」
また妊娠して乾燥肌がひどくなり、つわりのせいで普段使用しているボディクリームの臭いがダメになって使えなくなったという妊婦さんもいます。
この方の場合、妊娠専用のケアクリームのおかげで乾燥肌の悪化は免れたようです。
2-3.便秘
妊娠前はお通じが良かったのに、妊娠してから便秘がちになった妊婦さんはけっこういます(筆者である私や私の友人もそうでした)。
妊婦さんが便秘になる原因は、先ほど説明した「不細工ホルモン」の影響により心身に変化を起こすこと。
大きくなった子宮が腸を圧迫する、またはストレスなどにより便秘を引き起こします。
そして便秘が長く続いてしまうと、肌トラブル(肌乾燥・ニキビなど)を起こしてしまうことが分かっています。
「便秘が肌トラブル?」と一見結びつきませんが、こちらの流れを見ると理解しやすいです。
■便秘になると肌トラブルを引き起こすメカニズム
便秘が長く続くと、腸内で有害物質・ガスが発生
↓
出口(肛門)がふさがっているので、有害物質は腸から血液中に溶け、体全体へ巡る
↓
汗・皮脂などの形を借りて、有害物質は毛穴から体外へ放出される
↓
肌細胞は有害物質の排出に集中し、肌の新陳代謝への働きがいつもより遅れる
↓
肌に溜まった汚れ・余分な水分が排出できない
↓
肌の状態が悪くなる
※参考情報:ヘルスケア大学「便秘と肌荒れの関係性(すなおクリニック 土屋院長監修)」
つまり便秘による有害物質の逃げ場がなくなり、最後は肌から排出されます。
これが原因で通常の肌の新陳代謝が遅れ、肌に汚れが溜まってしまった結果、肌トラブルになる。
便秘を改善する方法は、食事改善・水分の補給・適度な運動が良いとされています。
こちらも後ほど詳しく解説します。
3.妊娠中にすべき乾燥肌対策5つのポイント
それでは、妊娠初期に起こりやすい乾燥肌の対策を次の通り解説していきます。
- 水分をしっかり摂る
- バランスのとれた食事を摂る
- 睡眠を取ることを心がける
- 適度に運動をする
- 湿度管理で乾燥を防ぐ(特に冬の季節)
お医者さんや皮膚の専門家の情報を基に説明しています。
根拠がある情報なので安心して読み進めてください。
3-1.水分をしっかり摂る
産院でお医者さんのご指導もあるかと思いますが、妊娠中は水分を多目にしっかり摂ります。
その目的は主に次の3つあります。
- 妊婦のお腹の中にいる赤ちゃんの血液を作るため
- 赤ちゃんを守る役割の羊水を作るため
これに加えて、妊婦は増えて重くなった体重を動かすため、以前より汗をかきやすくなります。
以上のことから、多目の水分補給は妊婦さんにとって、とても重要なのです。
もしあまり水分が摂れていないと、妊婦さんの体からどんどん水分が摂られ、肌が乾燥しやすくなります。
その結果、乾燥肌などの肌荒れが起きやすくなります。
とにかく今は生まれてくる赤ちゃんのため、健康な母体を作るためと考え、常日頃に水分を摂ることを心がけましょう。
3-2.バランスのとれた食事を摂る
妊娠が判明してまだ間もない方に特にお勧めしたいのが、バランスの取れた食生活を送ることです。
厚生労働省が提供する下記イメージ画像のように、普段からバランスの取れた食事を摂ることで体調が整われて、肌にも良いことは想像できるかと思います。
ただし、つわりがひどくて食べることが難しい場合は別です。
例えば、1回の食事量を減らして1日5食摂るようにし、胃腸への負担を軽減します。
つわりの場合、ポイントは空腹感をつくらないようにすること。これでつわりの軽減も期待できます。
▲1日分の適量と料理例(引用:厚生労働省「妊産婦のための食事バランスガイド」)
さらに詳しく知りたい方は記事「妊娠初期のニキビの原因は?対策と6つの予防策」の「5-1.バランスのとれた食事を摂る」をご覧ください。
3-3.睡眠を取ることを心がける
よく“お肌のゴールデンタイム”といって「夜22時〜深夜2時」の時間帯に寝ると肌に良いと言われています。
ただ、お勤めや妊娠の女性ホルモンの変化による不眠で、この時間に寝るのは難しいのではないでしょうか。
そこで、医療法人ララクリニックに勤める美容専門の川端 愛子さんは、「眠り始めの最初の3時間の質を高める」という方法を提唱しています。
これにより成長ホルモンが正常に分泌され、肌や体調が整いやすくなると言うのです。
それは最初の3時間に成長ホルモンが多く分泌されることが分かってきているためです。
引用:スキンケア大学「美肌づくりを邪魔する「睡眠不足」」
眠りの最初の3時間だけでもしっかり睡眠を取ることで、お肌の改善が期待できるという物です。
川端さんは睡眠の質を高める方法として、次の注意点を教えてくれました。
- 食事は寝る3時間前までに
- お風呂は就寝の1時間前までに(ぬるめがベター)
- 寝る直前のテレビ・スマホ閲覧は避ける
もしこの方法を知らなかった方は、実践してみましょう。睡眠が取れれば、ストレス解消にも役立ちます。
3-4.適度に運動をする
「適度に運動をする」ことのポイントは、体の代謝が上がり肌の質も上がることです。
ただし、妊娠中の運動は注意が必要なので、ウォーキングなど気軽にできるところから始めると良いでしょう。
ちなみにウォーキングは有酸素運動に分類され、期待できる効果は代謝が上がって栄養の呼吸や老廃物の排出が活性化されること。
この他に筋肉トレーニング(骨盤底筋を鍛えたり、股関節を柔軟にするストレッチ=安産運動)をすると、基礎代謝が高まって成長ホルモンの分泌が活発化されます。
これによって肌や体調がより整いやすくなるのです。
あと二次的な効果として期待できるのは、疲労によって眠りにつきやすくなることです。
※「成長ホルモン」とは、体の機能を正常に働かせる生理物質のこと
3-5.湿度管理で乾燥を防ぐ(特に冬の季節)
これまで解説した理由から「妊娠初期は肌が乾燥しやすい」ことが理解できたかと思います。
あとは寒い季節の乾燥を防ぐことで乾燥肌を回避します。
1年で最も空気が乾燥しやすい12月、翌年1月〜2月の時期になると、室内の湿度が一気に下がります(横浜市在住の家の場合、冬の室内湿度は30〜40%)。
また冬に一番気をつけるべきは“寒さ”です。
人間の体は気温の低い環境の影響で体内の血流が悪化します。すると栄養が体の隅々まで行き届かなくなり、健康肌を作る機能が下がることが分かっています。
このように冬は妊婦さんにとって肌が乾燥しやすい条件がそろっています(泣)
- 母体に水分が摂られる
- 空気の乾燥
- 肌を作る機能低下
室内の乾燥を防ぐなら、加湿器を設置すると良いでしょう(参考情報:一言アドバイス:加湿器の選び方)。
また加湿器を買わないアイデアもあるようです。
例えば「濡れたタオルを干す」「洗濯物を室内に干す」「霧吹きで水を部屋にまく」などが一般的に使われている方法のようです。