予定日を間近に控え、はじめての出産は不安な気持ちでいっぱいのママは少なくありません。
本番当日に少しでも安心できるように、ここでは出産の流れを次の5つのステップに分けて、分かりやすく解説しています。
- 出産が始まるサイン
- 陣痛(じんつう)
- 破水(はすい)
- 出産
- 最後の陣痛
はじめてのママが読んでも理解しやすいように紹介しているので、安心して読み進めてください。
1.出産が始まるサイン
いよいよ出産予定日になると緊張してドキドキしますね。でも陣痛(じんつう・詳しくは後述します)を感じてもすぐに産まれる訳ではありません。
そして、出産が始まるサインとして少量の「おしるし(=生理のような出血)」があります。
ただ、おしるしの回数について、出産1週間前から何度も出るママや全然来なかったママなど個人差があります。
それから最初は生理の時のような痛みから始まります。最初は弱いので戸惑いますが、これが徐々に強くなってきます。
次のいずれかの状態になったらお世話になる産院に連絡して、「すぐに来てください」と言われたら病院へ向かいます。
- 陣痛の痛みが 10 分間隔で来た
- 陣痛の痛みが 1時間に6回以上来た
「陣痛が不規則だけど大丈夫かな」「破水なのか尿漏れなのか・・」「もう、なんだかよく分からない!」という方は迷わず病院へ電話しましょう。いくつかの質問をされた後、きっと的確なアドバイスをしてくれます。
もし自宅や外出先で破水したら、すぐに病院へ連絡して向かいましょう。詳しくは「破水から出産までの時間は?パパも知るべき3つの対処法」をお読みください。
2.陣痛(じんつう)
陣痛とは、子宮(しきゅう)というお腹の赤ちゃんを守っていた臓器が、縮んで赤ちゃんを押し出そうとする時の痛みのことです。陣痛は最初、背中から痛くなって、次第に腰へと痛みが移動します。
またこの陣痛とセットでよく使用される言葉が「子宮口」です。子宮口とは、赤ちゃんが産まれる通り道の出口となる部分です。
医師や助産師さんは、この子宮口の開き具合をチェックして、分娩台(出産するための医療用ベッド)に移動するかどうかを判断します。
通信教育で有名なベネッセコーポレーション が運用する出産・育児サイト『たまひよnet』では、陣痛の流れを次のように紹介しています。
状況とママの体の変化
- 陣痛室で過ごす:
陣痛 10〜5分間隔、子宮口 0〜3cm開大- まだ陣痛室で待機:
陣痛 5〜2分間隔、子宮口 7cm開大- もう少しで出産:
陣痛 2〜1分間隔、子宮口 9cm開大この後、子宮口が10cmになったら分娩室(ぶんべんしつ・出産のための医療用器具やベッドがある部屋)に移動して、いよいよ出産が始まります。
※引用元:たまひよnet「赤ちゃん誕生までの流れをつかもう」より
この陣痛時間は、初めて出産するママだと12〜16時間かかり、2人目以上のママだと5〜8時間かかると言われています(日本産科婦人科学会より)。
子宮口の開きが 0〜3cm だと生理痛に近い痛みがあり、お腹が張った感じがします。
最初はびっくりするかもしれませんが、まだ始まったばかり。行動はできるので、これから始まる長い出産のためにも食事や水分をしっかり摂って体力をつけましょう。
子宮口 3〜7cm の場合、子宮の縮みが安定して陣痛が来る間隔も早まります。
赤ちゃんが産まれるには子宮口の開きは 10cm 必要です。辛い時間ですが、座ったり・横になったり・歩くなど楽な姿勢を見つけましょう。また、病院によって様々ですが、一般的にはテニスボールやアクティブチェアなど陣痛を乗り切るツールが用意されています。
子宮口 8〜9cm になると、いきみたくなります。「いきむ」とは、排便をするような感覚と同じで出産の場合、膣や産道に集中するイメージでお腹に力を入れることを指します。
ただし助産師さんの合図があるまでいきむのはNGです。赤ちゃんが呼吸できなくなったり、ママが傷を負うリスクがあるからです。
さあ、子宮口の開きが 10cm になったら、ようやく分娩台へ移動します。このタイミングを「子宮口が全開」とも表現します。
ただ、その前に破水について解説します。
少し不安を感じたママは、「出産の不安を吹き飛ばせ!先輩ママ4人のアドバイス」をお読みください。先輩ママたちの言葉に励まされます。
3.破水(はすい)
破水とは、赤ちゃんを包む卵膜が破れた際、中にある水分(羊水(ようすい)と呼ぶ)が赤ちゃんが生まれ出る子宮口に向かって流れ落ちることです。
次のイメージをご覧になると理解が深まります。
画像引用元:妊娠@ガイドブック「破水とは?(前期破水、遅滞破水)」より
一般的に陣痛がピークにさしかかったタイミングで起こります。
破水するとパンッ!と音がして羊水が勢いよく流れ出たり、突然少しずつチョロチョロと流れたりと個人差があります。
この破水のもたらす効果は、産道を濡らしてお産をスムーズにさせる働きがあります。また、同時に産道をきれいに洗い流してくれる効果も期待できます。
破水はお産には欠かせない仕組みの一つとなります。
4.出産
いよいよ出産です。ラストスパートです。
分娩台のベッドに乗って、いきみやすい姿勢を助産師さんに伝えましょう。ベッドの角度を調整してくれます。
この頃には陣痛は1〜2分間隔で来て短くなりますが、逆に陣痛時間は1分程と長くなります。ようするにずっと痛い状態が続きますが、赤ちゃんと会えるまで、もう少しです。
ここでは助産師さんの指示通りに行動します。陣痛の波に合わせていきみます。いきむタイミングやいきむ方法は、助産師さんがしっかりリード・サポートしてくれるので安心してください。
この出産の状況をアニメにした動画があるのでご覧ください。出産時のイメージが湧いてきます。
引用元:Detailed video shows exactly how a baby is born
※注意!映像はアニメーションですが、とてもリアルな内容になっています。もし気分がうつむくようでしたら、閲覧は控えてください。
赤ちゃんがママのお腹の中を回りながら産まれてくる様子が感動的ですね。
さて、赤ちゃんが産まれた後は最後の陣痛です。
5.最後の陣痛
もう一踏ん張りです。
子宮の収縮で赤ちゃんが産まれた後、胎盤(たいばん)が排出されます。
胎盤とは、お腹の赤ちゃんに酸素や栄養を送りこんだ臓器のことで、赤ちゃんが産まれた後は不要となるのでお腹から出す必要があります。
個人差がありますが、軽い陣痛を伴うことがあります。早い方で10分、長くても30分ほどで治まります。
胎盤を排出したら、ママは2時間程は分娩室で安静にします。これは、主に次の2つの理由があります。
- 大量の水分を一気に体外に排出したため、水分を補う必要がある
- 長い陣痛で体力は限界まで消耗しているので、回復をはかる
水分を補うとは、具体的に点滴のことを指しています。
また、会陰切開をしたママは、安静にする前のタイミングで縫合の処置を受けます。
ママが安静にしている時間、立ち会いしたパパは我が子と家族3人でゆっくりビデオカメラの撮影ができます。
パパは助産師さんのご指導の下、赤ちゃんの抱っこもできるでしょう。
産院が提供する実際の出産の流れ
埼玉県の熊谷市にある病院、さめじまボンディングクリニックで、出産の手順を写真付きで詳しく紹介しています。
自宅での状況、病院に着いてから陣痛室への移動など、イメージが湧いてくるので「出産の流れ・手順 分娩手順シミュレーション」を是非、ご覧ください。
画像引用元:さめじまボンディングクリニック「出産の流れ・手順 分娩手順シミュレーション」より
まとめ
これまで解説したことを簡単にまとめると次の5つのステップで赤ちゃんが産まれることが分かります。
- 出産が始まるサイン:おしるしを兆候として陣痛の間隔を計る
- 陣痛:病院で陣痛と向き合い、子宮口の開きを確認してもらう
- 破水:赤ちゃんが産まれるタイミングで破水する
- 出産:いよいよ赤ちゃん誕生!
- 最後の陣痛:胎盤が排出された後、ママは2時間の安静
特にはじめてのママは分からないことだらけで、不安になると思います。
でも陣痛が始まったらすぐに赤ちゃんは産まれる訳ではないので、リラックスしながら最初の陣痛の間隔を計りましょう。
きっと赤ちゃんもママと会えるのを心待ちにしていますよ。