もうすぐ赤ちゃんが産まれるかもしれない時に「これ陣痛なのかな?」とよく分からず、特にはじめてのママは不安でいっぱいになります。
ここでは陣痛の不安を解消するため、次の5つのポイントをおさえて解説していきます。
- 陣痛(じんつう)とは?
- 2種類の陣痛
- 陣痛が来た時の対処法
- 本陣痛の3つの流れ
- 陣痛が起きても安心の10つのポイント
はじめてのママのために専門用語は噛み砕いて説明しています。安心して読み進めてください。
陣痛(じんつう)とは?
陣痛とは、下図のように子宮(しきゅう)と呼ばれる赤ちゃんを包む臓器がしぼみ、赤ちゃんを外へ押し出そうと働く時の“痛み”を指します。初めは背中から痛くなり、次に痛みは腰へと移ります。
また陣痛中、出産前によく使われる言葉が「子宮口(しきゅうこう)」です。子宮口とはその名の通り、子宮の中にいる赤ちゃんが産まれる通り道の出口の事です。
画像引用元:萬育堂薬房 健康通信「ママになりたい~(*^_^*)子宮卵巣カッサの動画ご紹介!」
個人差はありますが、一般的に陣痛の時間は、初めて出産するママは 12〜16時間、2人目以上のママは 5〜8時間かかると言われています(日本産科婦人科学会より)。
2種類の陣痛
ちなみに陣痛には、次の2種類があります。
- 前駆(ぜんく)陣痛
- 本陣痛
前駆陣痛は、“出産の準備段階の陣痛”とも呼ばれ、痛みはありますが子宮口は開いていません。
前駆陣痛の特徴としては痛みで目が覚めてもまた寝ることができ、痛みの強弱はバラバラで、痛みと痛みの間の時間(これを陣痛の間隔と言う)は不規則です。
一方、本陣痛とは、もうすぐ赤ちゃんが産まれる本番時の陣痛です。症状は前駆陣痛と逆で、痛みの間隔は一定、寝ることはできないでしょう。
また前駆陣痛は必ず起きる症状ではなく、ママの中には前駆陣痛なしで、そのまま本陣痛を迎えた方もいます。
特に初めて出産をするママは、前駆陣痛でも必要以上に敏感になって病院へ駆け付けたい衝動にかられます。でも、まずは電話で看護師さんや助産師さんに相談しましょう。
陣痛が来た時の対処法
はじめてのママは「陣痛かな?」と思われる痛みを感じると本当にドキドキしますよね。
もし痛みの間隔が規則正しくなり、また痛みのバラツキがなく「もしかしたら陣痛かも!」と感じた場合、まずは痛みの間隔を計測しましょう。
痛みが30分間隔、20分間隔と短くなってきます。はじめて出産を経験するママは、この間隔が10分になったら病院に電話して指示を仰ぎましょう。
病院側から陣痛の間隔など詳しく聞かれるので、その時にとっておいたメモが役に立ちます。
2人目以上の出産のママは陣痛が15分間隔になったら電話をしましょう。
それでは、ここからは本陣痛の流れについて詳しく解説していきます。
本陣痛の3つの流れ
陣痛の痛みの間隔が短くなると、先ほどご紹介した子宮口は次第に開いていきます。
この開き具合を看護師さん、または助産師さんが確認して、分娩台(出産するための医療用ベッド)のある部屋にママを移すかどうかを見極めます。
通信教育の大手企業ベネッセコーポレーション が手がける出産育児の情報サイト『たまひよnet』では、陣痛の流れを大きく3つに分けて解説しています。
陣痛の状況とママの体の変化
- 陣痛室で過ごす:
陣痛 10〜5分間隔、子宮口 0〜3cm開大- まだ陣痛室で待機:
陣痛 5〜2分間隔、子宮口 4〜7cm開大- もう少しで出産:
陣痛 2〜1分間隔、子宮口 8〜9cm開大この後、子宮口が10cmになったら分娩室に移動して間もなく出産です。
※引用元:たまひよnet「赤ちゃん誕生までの流れをつかもう」より
1.子宮口 0〜3 cmの段階
この段階では、まだ生理痛に近い痛みでしょう。お腹が張った感じがします。
はじめて出産するママはびっくりするかもしれませんが、本来の陣痛は笑う余裕もなく、言葉も発することが出来ません。まだまだ序の口です。
行動できるうちは、これから始まる長い出産のためにも食事をしっかり摂って、水分を十分に補給しておきましょう。
2.子宮口 4〜7cm の段階
この段階は、子宮のしぼみ=収縮が安定してきます。また、陣痛が押し寄せる間隔も早まってきます。
赤ちゃんが産まれるには子宮口の開きは 10cm 必要です。
なかなかタフな時間が続きますが、自分にとって楽な姿勢を見つけると良いでしょう。例えば歩いたり、横になったり、座ったりなどして「ちょっとマシになった」と感じる体勢です。
また、病院によって様々ですが、一般的にはテニスボールやアクティブチェアなど陣痛を乗り切るツールが用意されています。
詳しくは「出産時にテニスボールを使う理由+3つの基礎知識」をお読みください。
3.子宮口 8〜9cm の段階
この段階になると、いきみたくなります。「いきむ」とは、大便をする時の感覚と似ていますが、出産に限っては膣や産道にフォーカスするような感じでお腹に力を入れる感覚です。
ここで一番辛いのが助産師さんのOKサインが出るまでいきんではいけません。これを「いきみ逃し」というのですが、ママの中には「これが一番辛かった」という意見もあるほどです。
いきんではいけない理由に主に次の2つが挙げられます。
- 赤ちゃんが呼吸できい状況に陥ることがある
- 会陰が裂けてしまい、ママが傷を負うリスクがある
やっと子宮口の開きが 10cm、子宮口が全開 になりました!ようやく分娩台へ移動します。
この3つの流れをしっかり覚えておきましょう。流れを知ることで、本番でパニックになったり慌てることもありません。
ただし、病院では医師や助産師さんがいるので安心ですが出産前、1人で産気づいたら不安で仕様がないですよね。
そんな時のために今一度、準備すべき項目を見直しましょう。
陣痛が起きても安心の10つのポイント
まず事前準備で必須な物、欠かせない物は次の4つになります。
- 母子健康手帳:
ママの妊娠中の経過・状態が明記されているためん、医師も把握しやすい - 健康保険証:
健康保険に加入していることを示す身分証明書です - 診察券:
いつも検診している病院の診察カードを指します - 印鑑:
大事な書面の手続きには、必ず必要となるのが印鑑です
また、病院に行くにあたって慌てることなく次の“やる事6つ”もしっかり把握しておきましょう。
- 入院準備に必要な荷物の最終チェック:
詳しくは「はじめての出産!入院準備に欠かせない49選」をご覧ください - 陣痛タクシーなどの事前の手配:
移動手段を必ず確保しておきましょう。いくら病院が徒歩5分でも歩いて行くのは難しいでしょう。陣痛の痛みがある時間、歩くことはできないと考えてください。 - パパと家族に事前連絡:
病院に行くことが決まったら家族に事前に連絡します。スマホは連絡手段や産後の写真撮影で重宝するので絶対忘れずに。 - 軽食を済ませる:
しっかり体力を付けておきます。一般的に初めて出産するママは陣痛に 12〜16時間と言われていますが、20時間以上の方も珍しくありません。 - 飾り物、化粧はしない:
出産の邪魔になるので貴金属は一切外します。また病院では化粧も許されないことが多いです。 - コンタクトレンズは外しておく:
陣痛中は何も出来ないと考えてください。少しの労力も最小限にするため、コンタクトレンズ利用者はあらかじめメガネにしましょう
まとめ
以上で解説した内容をまとめますと、次の5つのポイントが挙げられます。
- 陣痛は、子宮の収縮による痛み
- 前駆陣痛と本陣痛の2種類がある
- 陣痛が来た時は、間隔を計測してメモする
- 本陣痛の3つの流れをおさえる
- 陣痛が起きても慌てず10つのポイントを事前に確認する
これで安心して、もうすぐ出会える赤ちゃんを想像しながら時間を過ごすことができるでしょう。
ただやっぱり陣痛の猛烈な痛みなど不安がよぎることもあるかと思います。
そんな時は「出産の不安を吹き飛ばせ!先輩ママ4人のアドバイス」をお読みください。先輩ママさんからパワーがもらえますよ。