産後に肌がカサカサしたり、かゆみが出たり、吹き出物が出るなどの“肌荒れ問題”に悩んでいませんか?
実は様々な原因から産後のママは肌トラブルが起きやすい状態になっています。
ここでは産後の肌荒れの原因を探り、この点を理解した上で効果が期待できる対処法を次の流れで解説していきます。
専門用語はしっかりかみ砕いて分かりやすく紹介しています。安心して読み進めましょう。
2017年4月17日:肌荒れ対策に「産後の化粧水成分」「産後のクリーム」の2つを追加しました。
2017年1月23日:スマートフォンで閲覧したときに読みやすいよう、目次をつけるなど修正しました。
1.産後、肌荒れの原因
肌荒れの原因について、育児情報サイト『cuta(キュータ)』の「産後の肌荒れ対策」が参考になります。
この記事を書いたライターママの lacofumi さんは、男の子(11歳)と女の子(9歳)の2児の育児のベテランです(年齢は2015年12月時点)。
ここで“肌荒れの原因”には、主に下記2点が挙げられると解説しています。
- ママの体の大きな変化
- 育児によるストレス
それでは、1つ1つ見ていきましょう。
1-1.ママの体の大きな変化
妊娠中には女性ホルモン(※1)の分泌が活発になります。その中の成分は大きく次の2つに分けられます。
- エストロゲン
- プロゲステロン
これらのホルモンが急激に減少することでホルモンバランスが崩れ、産後の肌荒れを起こしやすくなります。
さらに分かりやすく説明していきますね。
※1.女性ホルモン:生理のリズムを整えて妊娠・出産ができる体をつくる役割をする体内物質
■エストロゲンは “女性らしい体作りを助けるホルモン”
「エストロゲン」とは、卵をつくる役割をになう卵巣(らんそう)から分泌される女性ホルモンの1つです。
エストロゲンは女性にとって非常に重要なホルモンの1種で、つややかな肌・豊満な胸・たくさんの髪など女性的な体を作るために働きます。
「恋をすると女性は女性らしくなる」とは、科学的にこの女性ホルモンの分泌量の増加によってもたらしていることが近年、分かってきているようです。
逆に例えばストレスを溜め込んだり、不健康なダイエットを行って健康を害するような状態の女性にはエストロゲンは多く分泌されません。
■プロゲステロンは “妊娠を助けるホルモン”
「プロゲステロン」とは、排卵直後から卵巣でつくられる女性ホルモンの1つです。
生理前に、肌がべとついて肌荒れを起こす原因を起こしたり、体がむくみやすくなったり、精神的にイライラしたりするのはこのホルモンが原因であることが分かっています。
そのため、女性を不細工(ブス…笑)にする分泌物とも呼ばれていますが、女性が妊娠をするために重要なホルモンなのです。
プロゲステロンは排卵後、女性の体が妊娠しやすいように子宮(しきゅう・赤ちゃんを育て守る臓器)内に受精卵が付着しやすいように環境を整えます。
このことから「妊娠を助けるホルモン」であることが言えます。
1-2.育児によるストレス
次に育児によるストレスも肌荒れの原因の1つと言われています。
出産後、ママは3時間おきの授乳によって不眠となり、さらに頻繁なおむつの交換で家事を満足にできない状態が続きます。
特に数時間 間隔の授乳は、産後の疲弊した体にさらにムチを打ったような不眠を貯めていきます。
この状態によってストレスを抱えないママはいません。ストレスは直接、肌荒れを引き起こす大きな原因となります。
また、妊娠中に半分ほどのママが便秘になってしまいます。
老廃物が体の中にとどまった状態になると、この毒素が長く体内に留まることを意味します。毒素が肌を巡回すると当然、肌荒れの要因の1つとなります。
2.産後、肌荒れ5つの対処法
続いて産後の肌荒れを予防する次の5つの方法をご紹介します。
2-1.しっかりと睡眠をとる
睡眠をしっかりとる一番の理由は、疲労回復と自律神経(じりつしんけい)を安定させることにあります。
自律神経とは簡単に説明すると、内臓を動かしたり、血液を流すなど、無意識のうちに体の機能をコントロールしている神経のことを指します。
他にも栄養を吸収する、老廃物を回収するも同じ神経の働きです。
睡眠不足である、疲労がなかなかとれない、肩がこってしまうなどは、この自律神経が乱れることで発生していると言われています。
ただ産後のママはどうしても睡眠不足になりがちで、長時間の睡眠をとることは難しいのが現状です。
それなら、赤ちゃんの寝ている時間に合わせて少しでも眠るようにしましょう。
2-2.ストレスを貯めない生活を送る
赤ちゃんのお世話を「自分しかいない!」と無理していませんか?そんなことで、ママだけストレスを抱える必要はありません。
特に産後、このストレスが溜まっていくことで「マタニティブルー」や「産後うつ」を引き起こすことがあります。
詳しくは「出産後1ヶ月はゆっくり休むべき本当の理由」をご覧ください。
ママは自分自身をそのような状態に追い込まないでください。ご両親にすぐにでも甘えて、赤ちゃんを見てもらいましょう。
それが難しいなら、地域のヘルパーさんや産後ケアセンターなどを利用して助けてもらいましょう。
赤ちゃんに将来、どうなってほしいかをしっかり考えて、最善の対策をとるように心がけることが家族にとって大事です。
2-3.毎日、規則正しく食事をとる
ただ規則正しい生活を心がけるだけで肌荒れが予防されます。
「授乳期の栄養所要量は、2500キロカロリーが必要」というのは、新生児の訪問指導歴が約20年以上ある助産師の浅井 貴子(あさい たかこ)さんです。
その他に 鉄分、たんぱく質、カルシウムを摂取すると良いようです。
肉、レバー、牡蠣(かき)、あさり、ほうれん草や小松菜、卵や牛乳も摂りすぎなければアレルギーの心配は不要です。
卵1個、牛乳も1~2杯は摂取しましょう。
食事で摂りにくい時はサプリなどもありますが、あまり栄養補助品に頼らずなるべく食事で摂取する習慣をつけると、離乳食作りにも役立つでしょう。
また青菜を沢山食べると乳質がよくなり、さらっとした詰まりにくい母乳になります。
AMOMA(アモーマ)「助産師が推奨する母乳育児に良い食事・食べ物・食べ方」より
後述する有名企業の育児サイトでインタビューを受けた なもさん は、産後の食生活が肌荒れ予防に重要であることを伝えています。
なもさんの場合、ママ友から教わった普段の生活を改め、食事・睡眠を出来る限りとるようになってから肌が改善したそうです。
ただ体調管理を意識した食生活と、睡眠をとる生活を心がけるだけで良いのです。
産後、非常に肌荒れに悩まされた なもさん ですが、2人目を授かった時は、このスタイルを意識して、肌を綺麗に保つことができました。
2-4.産後の敏感肌のための化粧水成分を使う
東京足立区で医師を務める矢追 正幸先生(矢追医院 院長)が監修した記事で、産後のスキンケアにお勧めな化粧水の成分が紹介されていました。
ちなみに授乳中のママが使用しても問題ない化粧水を先に見たい方は「産後、授乳中のママも安心して使える化粧品5選」をご一読ください。
2-4-1.シミ対策の化粧水成分
- プラセンタ
- コウジ酸
「プラセンタ」は、シミの原因であるメラニンの生成を少しでも抑える効果があります。
また肌の新陳代謝(表皮細胞が生まれて垢となって死ぬまで)を高める働きをサポート。つまりお肌の健康状態が良くなるように促進する効果が期待できるのです。
「コウジ酸」は、メラニン生成の働きをする酵素を抑制し、体の中でメラニン生成の信号を送る物質も抑えてしまう効果があります。
さらにシミだけでなく、シワやたるみなどの改善効果も期待できますね。
2-4-2.乾燥・肌荒れ対策の化粧水成分
- ヒアルロン酸
- コラーゲン
- アミノ酸
「ヒアルロン酸」は保湿とバリア機能を併せ持つ角質層(表皮の中で一番外側にある層・死んだ細胞の集まり)の保湿効果を高める働きがあります。
この成分はもともと人間の体に存在している物質なので、特に肌荒れの起きやすい敏感肌の方にお勧めです。
「コラーゲン」は先ほどの角質層に潤いを与える成分です。
特に産後のママさんはコラーゲンが不足しがちで、するとお肌のハリや弾力が出なくなります。
「アミノ酸」は角質細胞の成分の1つです(この他に尿素があります)。水分を吸収してお肌の潤いを保持する作用があります。
2-5.産後、肌に適切なクリーム成分を使用する
クリームを使って油分を補う主な理由は、肌をなめらかにするため。
この他にも美容効果(美白、保湿、抗炎症作用)を高める成分が多く含まれていることも女性に嬉しい特長です。
先に紹介した矢追先生は産後、ママの肌荒れを研究・調査し、その敏感肌に適切なクリームを使うことを推奨しています。
もし産後お勧めのクリーム製品を先にご覧なりたい方は「産後のママに優しいお勧めクリーム厳選6選」をお読みください。
2-5-1.美白作用、消炎・抗炎症作用のある成分
特にシミなどの肌荒れを少しでも良くしたい方にチェックして欲しい成分です。
※成分名の右横の(丸カッコ)は別称となります
- 油溶性甘草エキス(グラブリジン):
美白作用、抗菌作用、抗酸化作用、活性酸素消去作用など - カモミラET(カミツレエキス):
メラニン色素(シミの原因)の生成を抑える効果がある - トラネキサム酸(m-トラネキサム酸、t-AMCHA):
強い紫外線によって肌が炎症した時、結果的にシミを誘発する肌に良くない成分を抑え、美白効果をもたらす
2-5-2.保湿効果の高い成分
特に乾燥肌で悩んでいる方にチェックして欲しい成分です。
- セラミド:
元々、肌の角質層に含まれる成分で、とても強い保湿力が特徴です - ステアリン酸コレステロール:
角質層に含まれる脂質と相性が良い成分で、保湿を維持する効果が期待できます
以上が産後の敏感肌にお勧めのクリーム成分でした。
3.サプリメントで肌荒れを改善する方法
続いてリクルートが提供する妊娠・育児情報サイト『赤すぐnet』の「産後の肌荒れ 体験談」についてご紹介します。
この記事の具体性のある箇所をピックアップして、分かりやすく1つ1つ紐解いていきます。
3−1.コラーゲンが含まれたサプリメントの効果
5ヶ月と1歳8ヶ月 の2児のママである KIKO さん(当時)は、コラーゲンのサプリメントを服用し続けたことで、産後の肌荒れに悩まされることはなかったと語ります。
コラーゲンの顆粒がスティックに入っていて、1日2回、朝と晩の食後に飲んでいました。
コラーゲンには子宮を回復させる効果もあるそうで、それを信じて飲み続けていました。妊娠中はもちろん、産後に疲れた子宮を休ませるためにもいいと聞きました。
「産後の肌荒れ改善ではどんなサプリメントがおすすめですか?」より
KIKO さんは実際に漢方薬を処方してもらい、妊娠中・産後と服用していました。
その時、コラーゲンのサプリメントが効果的だったと感じたようです。
どうしても産後は3時間おきの授乳や頻繁なおむつ換えなど、育児に追われて生活が不規則になりがちです。
ママ自身の食事もままならない時期となりがちですが、肌荒れが起きなかったのは毎日徹底してサプリメントを飲み続けたことが要因だと KIKO さんは振り返ります。
さらに、継続することができた理由として毎回の食事の際、スティックに入ったコラーゲンを飲むだけという手軽さを挙げています。

3−2.葉酸が含まれたサプリメントの効果
また、2児のママである なもさん の場合、もともと健康体質で妊娠中のお肌は特に問題なかったのですが突然、産後を期に肌荒れに悩まされたそうです。
これではいけないと思い、お肌に良いサプリメントを探しました。
その中でも葉酸とビタミンが豊富に含まれたサプリメントを購入し、決められた分量を毎日きちんと飲むようにしました。
「産後の肌荒れ改善ではどんなサプリメントがおすすめですか?」より
その時、なもさん がサプリメント選びに気をつけたことが、授乳中の赤ちゃんに害のないような自然派のサプリメント。
彼女はこれを毎日欠かさず飲むことで、乾燥していた肌も改善されていき、結果的に産後前の状態の肌に戻ったようです。

これは葉酸だけでなく、ママに必要な鉄分やカルシウム、ビタミン・ミネラルなどもしっかり含まれた栄養機能食品(特保の次のレベル)です。
今なら送料も無料で、15日間なら返金保証が付いています。
まとめ
いかがでしたか?肌荒れの改善対策として地味ですが、次の5つの方法がとても効果的であるようです。
- しっかりと睡眠をとる
- ストレスを貯めない生活を送る
- 毎日、規則正しく食事をとる
- 産後の敏感肌のための化粧水成分を使う
- 産後、肌に適切なクリーム成分を使用する
妊娠前なら当たり前にできていたことが、育児をしながら規則的な生活を送るのはとても大変なことです。
そんな時こそ、パパに全面的に手伝ってもらうか、おじいちゃん・おばあちゃんにご協力いただきましょう。
これが難しい場合は、近くのケアセンターに電話してサポートしてもらいましょう。
ママはどうすれば自分に「負担がかからないか」を考えて、絶対自分を追い込むことはないように回避策を実行に移しましょう。