「妊娠前、妊娠中は腰痛などなかったのに・・」
赤ちゃんを産んでから腰痛に悩まされ続けるママは、あなただけではありません。
ここでは産後の腰痛の原因、そして腰痛の予防対策まで分かりやすく解説していきます。
専門用語は使わないようにしています。
初めてのママも安心して読み進めましょう。
目次:
- 1.産後の腰痛の原因
- 2.産後の腰痛はいつまで続くのか?
- 3.産後、腰痛予防5つの対策
- 3-1.産後1ヶ月は安静にする
- 3-2.骨盤ベルトを使用する
- 3-3.授乳クッションを使う
- 3-4.体を温める
- 3-5.産褥体操を定期的に行う
1.産後の腰痛の原因
産後の腰痛について、よく「骨盤が開いたから」「骨盤が歪(ゆが)んだから」と耳にしますが本当でしょうか?
もし骨盤の開きや歪みが原因なら、腰ではなく骨盤自体に痛みが出てくると思います。
ここでプロの見解をご紹介します。
東京都の東久留米市で整体院を営む「整体院ワンアンドオンリー」さんは、次のように結論付けています。
産後の腰痛は、実はこの「腰に寄りかかった姿勢」に原因があるんです!
整体院ワンアンドオンリー「産後の腰痛」より
妊娠してお腹が大きくなってくると下記写真のように自然と腰を反(そ)った姿勢になります。
そして腰に寄りかかる状態となり、これが出産直前にママの体重が 7~10kg 程(標準の場合※)と増えるまで続きます。
整体院ワンアンドオンリーさんは「ママがこの反り返った状態をずっと続けることが腰痛の原因である」と指摘しているのです。
妊娠中は反った状態でずっと腰に負担をかけ、さらに産後は生まれた赤ちゃんを反った状態で抱っこします。
何ヶ月もの期間、腰へ続く負担が腰痛の原因だったのですね。
※参考:プレママタウン「にんぷの体重管理」より
確かに「産後 腰痛」というキーワードで検索して、結果に表示されるどのサイトを見ても「骨盤のゆがみが腰痛の原因」と書いているだけで、根拠を示している記事は少ないように感じました。
整体院のプロが話すことなので信ぴょう性があると思っていますが、プロの世界でも腰痛の原因については賛否があるようですね。
それではこの腰痛を改善するために何をすると良いのでしょうか?
2.産後の腰痛はいつまで続くのか?
産後の腰痛がいつまで起こるのか、結論を申しますと明確な時期はなく、個人によって異なります。
腰痛が始まる時期も期間もそのママの体や生活状況によって異なるのが現状です。
そこで参考までに、リクルートが提供する赤すぐnetの「産後の腰痛 体験談」に掲載されている生の声を見てみましょう。
さくらchanさんの腰痛が辛かった時期は産後6ヶ月、1年前後でした。
私の場合、ひどい難産でした。また、体をゆっくり休めることができなかったので、ずっと腰痛が続いていました。
一番のピークは、(産後)6ヶ月頃と1歳前後でした。
2児のママ、さくらchanさん
彼女は「かなり長い間続くことを覚悟しておいたほうがいい」とアドバイスしています。
次のMomokoさんは産後、2ヶ月ほど腰痛が続きました。
赤ちゃんを産んだ後、私は2ヶ月ほど腰痛が続きました。
最初の頃は一日中と言っていいくらい赤ちゃんを抱っこし母乳をあげている状態でした。
日に日に足がダルくなり腰もこまめに動かすようになり、長時間座っていることが苦痛になってきたのは2週間目くらいです。
1児のママ、Momokoさん
Momokoさんは腰痛がひどかった時、助産婦さんに相談したところマッサージに行くようアドバイスをもらいました。
そして週に3回、30分のマッサージを定期的に続けることで、腰痛は2ヶ月ほどで治まったようです。
最後にTomikoさんの場合、産後1ヶ月程は痛みが続きました。
出産前から、生理時などに痛だるいような腰痛がありました。
<中略>
痛みが連続的にあるのは、産後1ヶ月ぐらいだったのですが、一年間ぐらいは違和感がありました。
1児のママ、Tomikoさん
3.産後、腰痛予防のための5つの対策
3−1.産後1ヶ月は安静にする
産後、まずは安静にすることです。
この理由を福岡県で助産師を務める柴田 星子さんは、次のように説明しています。
赤ちゃんを産むために、骨盤は日常ではありえないくらいに大きく広がり、グラグラの状態になっています。腰を捻挫したような状態ですね。
この骨盤が、日常生活を送れるくらいに締まり、安定するのに約1か月かかるのです。
Conobie(コノビー)「産褥期の過ごし方~産後1か月安静にしなくてはいけない理由とは?~」
産後グラグラの骨盤が元に戻るには、最低でも1ヶ月くらいかかります。
安静とは育児のことだけを考えて、家事は一切しません。
そのためには里帰りするか、親に来てもらうか、産後センターなどの施設を利用する方法があります。
3−2.骨盤ベルトを使用する
骨盤ベルトとは産後、ママの骨盤が自然に元に戻ろうとする働きをサポートする機能ベルトのことです。
大阪の枚方市(ひらかたし)にある『ひろゆらり鍼灸(しんきゅう)接骨院』では、特にママをメインとした施術を行っています。
この整骨院が手がけるブログ『ままゆら』では、産後すぐの骨盤ベルトの装着を推奨しています。
産後の骨盤ベルトは、出産直後からつけたほうがいいです。出産直後が1番、骨盤がグラグラしていてゆるみが強いからです。
帝王切開の場合は、傷口が痛くてなかなかベルトは巻けないので、ムリに巻く必要はないです。
ままゆら「産後、骨盤ベルトいつまで?」
また骨盤ベルトは1~2ヶ月を目安に巻き続けることも指摘しています。
産後1ヶ月経ち、動ける様になってきたら日常生活のなかで徐々に骨盤ベルトを外す時間を作りながら、2ヶ月ぐらいを目安に完全に外していきます。
2ヶ月目以降から骨盤ベルトを徐々に外す理由は、骨盤を支えている筋肉を鍛えるためです。
ずっと巻き続けると、筋肉が骨盤ベルトに頼ってしまって良くないとのこと。
産後、特にお勧めの骨盤ベルトは『トコちゃんベルトII』です。
実際に多くの産院で推奨されてる信頼の高い骨盤ベルトです。
ただし、装着に少しクセがあるので助産師さんに教えたいただくか、写真で詳しく装着方法を紹介している「トコちゃんベルトIIの付け方」をご覧ください。
3−3.授乳クッションを使う
授乳クッションには、赤ちゃんを安定させて授乳しやすくできるママケアグッズの1つです。
このアイテム、実は体を倒した姿勢で起こる腰痛、乳頭に負担がかかる病気を防ぐ効果があります。
トコちゃんベルトを扱っている『青葉』社製の授乳用クッションは特に効果が期待できるようです。
2児のママである maisilk さんが日々の生活を描くブログ「日々是好日(にちにちこれこうにち)」では、この授乳クッションに満足している内容が書かれています。
と、いうことで当初は「腰痛にならなそう!」と、いうことに重きを置いて選んだ厚みのある授乳クッション。
使ってみると…生後3か月過ぎた今まで毎日使っても全然くたりません!!
常に現状維持。そして授乳以外にも…オムツ丸見えでしつれ~い。
お昼寝にも活用!!日々是好日「 腰痛にならない授乳クッション!」
最初の乳幼児に使った時の授乳クッションと比べると、明らかに厚みが違ったようです。
その分、肩から背中、腰にかけての負担がやわらぐのでしょう。
3−4.体を温める
産後の腰痛を和らげる効果のある対策の1つとして、有名な方法が“体を温める”ことです。
東京都足立区にある こはた接骨院 では、特に女性が体を温めることの重要性を次のように説明しています。
もともと女性は男性に比べて体は冷えやすいといえます。
<中略>
体が冷えて筋肉が硬くなると腰痛は起こりやすくなります。なるべく体を冷やさないように心がけましょう。
こはた接骨院「産後の腰痛」
また日頃から半身浴をして体を温めることを勧めていました。
冬場は衣服で首すじ・お腹(特に母乳で育児するママ)・足首を温めます。
さらに飲食について、冷えたジュースやお茶など、また生野菜も体を冷やすため、日頃から温かい飲み物や温野菜をとることを心がけましょう。
最後にご自身が一番リラックスできる方法を見つけることの重要性にも触れています。
例えば、就寝前の入浴、ストレッチ、アロマ、ヒーリング音楽の鑑賞など、全身の力が抜けて体が温まってくる行動です。
3−5.産褥体操を定期的に行う
産褥(さんじょく)とは出産後、妊娠前の状態に戻る期間(一般的に6~8週間)のことを指します。
最近ではこの時期に適切な運動(これを産褥体操と言います)を行うことで、母胎の回復を促す効果があることが分かっています。
明治ホールディングスが提供する出産・育児のサイト『ほほえみクラブ』が産後の腰痛を和らげる体操動画を提供しています。
出典:腰痛を和らげる体操|産後の体操(産褥体操)|明治ほほえみクラブ
※ 帝王切開でお産をしたママさんは、産後体操をしても問題ないか、医師や助産師に事前に確認しましょう。
この動画は、妊産婦体操研究委員の体操デザイナー湯澤 きよみ先生と湯澤 美樹先生のご指導の下、監修されています。
正しい姿勢で腰痛を予防・軽減し、腰のいたみをやわらげる効果があります。動画のメニューは、次の内容で構成されています。
- 1.正しい姿勢
- 2.腰のマッサージ
- 3.猫のポーズ
- 4.猫のしっぽふり
- 5.腰のカール
この産後体操を定期的に欠かさず行って、腰痛とおさらばしましょう。
あとがき
よく腰痛の対処法に「湿布で冷やした方が良い」「湯船につかって温めるべき」と真逆の方法があって困ったことがあります。
産後のママの場合、妊娠中から腰に負担がかかっているので、慢性的(症状が長引いている)とも言えますね。
その時は「3−4.体を温める」でご紹介したように温めましょう。
また産後、腰痛以外の痛みのある症状について下記を参考にしてください。