出産後にイライラする原因と5つの対処法

出産後、新しい家族が増えて楽しい生活が始まる反面、今までは出来ていた家事がまったくできず、育児に専念することが増えていきます。

そんな時、「なんで1日家に居るのに料理も出来ないの?」というパパの言葉には正直傷つきますよね。

そして育児中にイライラすることを体験することがありますが、これは決して珍しいことではありません。

ここでは産後のイライラの原因と、その解消方法に関するアイデアについて、分かりやすく解説していきます。

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1.産後のイライラは、よくあること

「産後は、ホルモンのアンバランスや育児への不安から、うつになる人も多いようですね。」と語るのは、武蔵野大学付属産後ケアセンター桜新町でカウンセラーを務める谷口 眞理(たにぐち まり)先生です。

子どもが生まれておめでたいはずなのに、気持ちが落ち込む、いわゆるマタニティブルーズ症候群を経験する人は半数以上。

産後うつの罹患率(りかんりつ)※ は13%というデータもあります。決してめずらしいことではないんですね。

プレママタウン・ 産後ケアセンター臨床心理士に聞いた、産後の不安対策「産後不安は相談するがいちばん!」の巻

※罹患率の意味:その病気にかかる危険にさらされた人口に対する比率のこと

お産の疲れ、不慣れな育児による疲れと睡眠不足、そして育児に対するプレッシャーや孤独感などがイライラの原因と言われています。

また、お産後の急激なホルモン低下という、体の大きな変化もイライラの原因として大きく関わってきます。

その結果、ママに次の様な症状が現れることがあります。

  • 自然と涙が出てしまう
  • 気分が晴れずモヤモヤする
  • 自分が役に立っていない気持ちが出てくる

いつもの自分と違って「変だな・・」と感じたら、もう一人で頑張らないでください。この場合、母親になったからには自分がしっかりしなくちゃ!と思うことは逆効果です。

できるだけ早くお世話になった産院に相談するか、医療にかかりましょう。

それでは、次で産後の自分の状態を知るための簡易チェックをご紹介します。

2.ママのイライラを簡易チェックする

お茶の水女子大学大学院の教授である 菅原ますみ先生は、次のチェックテストを行う事でママが一人で頑張り過ぎていないか、簡易的にチェックすることができると言っています。

まずここ2週間くらい「どんなことに対しても、あまり興味が湧かない」「沈んでいて、憂鬱(ゆううつ)」といった気分が続いている方は、次の8つの項目にチェックしてみてください。

  • □ 夜あまり寝つけなかったり、なぜか早朝に目がさめたりする
  • □ イライラしてちょっと落ち着かない
  • □ 以前より涙もろくなったり、実際に泣いたりしている
  • □ 考えがまとまらずに、決断する事ができない
  • □ 疲労感をすごく感じて、やる気がまったく起きない
  • □ 食欲があまりなく最近、めっきり体重が落ちてきた
  • □ 自分自身がダメな人のように思えて仕方がない
  • □ 将来に希望が見い出せず、悲観的な気持ちしかない
※マタニティブルーのチェックリストについて
多くのママが経験するイライラしたり、涙もろくなることを「マタニティブルー」と言います。ここでは、菅原ますみ先生が提示するチェックリストを元に掲載しています。

201511afterbirth-cehcklistチェックした結果、5つ以上の項目に該当する方は、できるだけ早く医療にかかりましょう。心の専門家の助けを借りることが、解決策の第一歩です。

専門家の手助けに遠慮することはありません。今の辛さから解放される糸口が、きっと見つかるはずです。

どこへ行けば良いのか分からないという方は、まず出産でお世話になった産婦人科に相談してみましょう。また市区町村の福祉課や、育児支援センターも頼りになります。

赤ちゃんを家族の一員として迎え入れて、ママの環境は劇的に変化します。その変化によるストレスに加えて、ママの産後の心と体の不調、頻繁に起こる授乳やオムツ換えの負担がさらに追い討ちをかけます。

ママの精神的なバランスが崩れてもおかしくありません。その結果、理由もなくイライラしたり、涙もろくなったりするのです。

3.産後のイライラを解消する方法

それでは、産後のイライラを解消するためにどのような効果的な方法があるのでしょうか。

ママと赤ちゃんのサポートサイト『AMOMA(アモーマ)』では、「産後の解消法」として次の5つの方法を挙げています。

  • 家事を完璧にする必要はない
  • パパに思っていることを明確に伝える
  • ママ一人の時間を作る
  • パパを育てる
  • 子供をパパに預けて外出する

それでは1つ1つ解説していきましょう。

3−1.家事を完璧にする必要はない

家事でやらなければならいことは「料理」「洗濯」「掃除」「ゴミ捨て」が必要最小限かと思います。

でも、いざ育児が始まると、当たり前の様にできていた家のことがまったく思う様にできません。

赤ちゃんの面倒を見て、気づいたら1日が終わっている・・なんてことはよくあることです。

そんなことよりも赤ちゃんと向き合えた数を数えることの方が何よりも大切です。

  • 今日もたくさん赤ちゃんと触れ会うことができた!
  • 赤ちゃんの笑顔を1つも見逃さなかった!
  • 赤ちゃんと心通わせることができた気がした!

赤ちゃんと向き合うことが完璧だったのなら、家事を完璧にこなす必要はありません。

3−2.パパに思っていることを明確に伝える

ただし、普段から料理ができないと不満をあらわにしてくる人がいます。それはパパさんです。

帰宅時間が遅いパパさんは基本的に自分で適当に済ませる人もいますが、中にはママの手料理を求める人もいます。

でも実際に家事をしたくても、赤ちゃんのお世話でなかなか出来ないことがあります。そこで、パパには「育児と同時に家事をするのは難しいこと」を明確に伝えましょう。

例えば赤ちゃんを見くれたら「その間に料理が作れる」「お皿が洗える」「洗濯物が干せる」。もしくは逆にパパに家事をやってもらう、でもかまいません。いくら家族とはいえ、言葉にしないとわかってもらえないのです。

ちなみに、世のパパさんを代表して、育児がどれだけ大変かを検証した方がいます。三十路男さんというブロガーの方ですが、この方の結論は次の通りです。

産後間もない子供の育児は仕事よりも遥かに大変、嘘だと思うなら1度試してみて。私がそうだった様に、経験して始めて妻への感謝・子供への接し方を学ぶ事が出来ると思います。

三十路男の悪あがき「『育児疲れで晩ご飯が作れない』って妻が言うから実際に検証してみた

育児をしながらの家事がどれだけ大変か、このブログ記事を読んでもらい、話し合うのも良いかもしれません。

3−3.ママ一人の時間を作る

201511afterchildbirth-cafe週末のパパと赤ちゃんと3人で外出する時間に、あえてママだけの時間を作るのも効果的です。

例えば30分だけ、パパに赤ちゃんを任せて、ママは一人でコーヒーショップに入ってくつろいで下さい。

ここで飲み物一杯をしっかりくつろぎながら飲み終えます。この飲み終えるという達成感を味わうことが大事です。

どうしても外出が難しい場合、赤ちゃんのお風呂や抱っこなど、少しの時間でも良いのでパパに任せてしまいましょう。

そして、産後ママ専用のアロマでくつろいだり、ゆっくりお茶を飲む時間を生み出したり、自分のリラックス方法を見つけるのも良いでしょう。

3−4.パパを育てる

新生児の頃からおむつ替えやお風呂はパパに任せてしまいましょう。不安なパパには丁寧に根気よく、やり方を伝えます。

そしてもし、ママが「イライラしてるかも」と感じたとき、パパにバトンタッチ。このイライラしたときに代わりの頼りになる人がいるか、いないかで育児生活も大きく違ってきます。

コツは、パパをどんどんほめることです。「●●さんが面倒見てくれるおかげで、育児がだいぶ楽になる」「週末が待ち遠しい」など特に友人たちの前でほめると効果的なことが多いです。

パパを育てることができたら、週末だけかもしれませんが、育児も随分楽になるでしょう。

3−5.子供をパパに預けて外出する

パパを育てることができれば、思い切って数時間任せてみましょう。

そして、ママはお友達とカフェにでも行って、思う存分話してリラックスする時間を満喫ことです。

少しの時間でも良いので、育児のことを忘れてリフレッシュすることが、逆に我が子への愛も増して、また「頑張ろう!」という気持ちが湧いてきます。

4.ある主婦の体験記

当記事、筆者の個人的な体験談ですが、私の周りのママ達や、自分自身の経験をご紹介します。

多くのママ達の話を聞くと、パパと育児の価値観を共有出来ないことに苛立ちを感じる人が多くいました。

特に、正解がなかなか見出せない育児に対してママは自分なりに一所懸命考えて試行錯誤しています。 そんな中、パパの何気ない言動に苛立ちを覚えてしまうことが多いようです。

4−1.ママの想いを分からないパパの行動

201511daddy-baby例えば、多くのママが挙げていたのは、ママがパパに「子供を見てて」と言った時、ママはパパの全集中を赤ちゃんに注ぐことを期待しています。

少なくとも、赤ちゃんの対応を何よりも優先することを期待しているのですが、パパは側に赤ちゃんを置くだけで、テレビを見るなど自分のやりたいことに集中してしまうことがあります。

パパとしては全く悪気は無く、赤ちゃんをしっかり見ているのは分かります。

細かい例を言い出すときりがありませんが、パパは一日子供と向き合った体験が無かったり、育児に関してゆっくり情報収集・勉強する時間を持てないことが多いです。

そんな中、ママが抱える育児に対する想いや悩みなどを、何も言葉にせずにパパに分かってもらうことは難しいでしょう。

4−2.パパも一生懸命、悪気は無い

私も、主人に対して思うことが溜まった時に思い切って気持ちを伝えたたことがあります。

でもパパも全く悪気が無いことは分かっていたので、言いたいことを予め自分の中で整理して、その事を伝えることに注力しました(お互いの気持ちをなるべく尊重しながら)。

主人はそれらの主張を静かに受け止めてくれ、その後の育児に対する姿勢にも変化が見えました。

何よりも、「育児は何もかも試行錯誤で、ママも日々悩んでいる」ことや、ママとパパでは言葉にしないと伝わらないことがあるんだ、という認識を共有出来たことが私自身の気持ちを楽にしてくれました。

どうしてもパパと考え方などが共有出来てないと感じるママは、是非一度「育児について真剣に話したい」とパパに提案して、話し合いの場を持ってみましょう。

赤ちゃんの心身の健康を第一に望んでいるのはママもパパも一緒です。話し合いの場では少々感情的になってしまったとしても、結果的に二人の絆は強くなることでしょう。

まとめ

次の5つのポイントを抑えることで、ママのイライラが大幅に軽減されます。

  • 「料理」「洗濯」「掃除」「ゴミ捨て」よりも育児を優先する
  • パパに育児と同時に家事をするのは難しいことを伝える
  • ママは一人でカフェなどリラックスの時間を作る
  • パパに任せて何かあればバトンタッチできるまでに育てる
  • 子供をパパに預けて外出する

パパも平日は育児に貢献できない分、週末にママを大事にしてくれることでしょう。そのためにも感情的にぶつかるのではなく、パパをほめて、育てていきましょう。