「床上げ(とこあげ)」とは、敷きっぱなしの布団を片付けて、通常の生活に戻ることです。
これは昔から言われる産婦が1ヶ月間、何もせずに安静にする慣習から来ていますが、実際に床上げはいつ頃がベストなのでしょうか?
ここでは床上げの時期、母体の回復を促すため、それまでにやっておくと良い運動を解説しています。
1.床上げ(とこあげ)とは?
床上げとは、産後1ヶ月して敷きっぱなしの布団を片付けて、通常の生活に戻ることを言います。
これはその昔、出産を自宅で行っていた頃、産婦は赤ちゃんを産んだ後、布団をそのまま敷いてゆっくり安静にしていた事から来ています。
今では布団を敷く方、ベッドを使用している方など生活スタイルが家庭によって異なるため、「床上げ」と言われてあまりピン!と来ない方もいるかもしれませんね。
2.産後の床上げに必要な期間は?
一般的には3週間~1ヶ月と言われています。ただしママブログでは、1ヶ月を推奨しています。その理由は、骨盤が元の状態に回復するには1ヶ月かかるからです。
助産師で2児の母でもある柴田 星子さんは、
赤ちゃんを産むために、骨盤は日常ではありえないくらいに大きく広がり、グラグラの状態になっています。腰を捻挫したような状態ですね。
この骨盤が、日常生活を送れるくらいに締まり、安定するのに約1か月かかるのです。
Conobie(コノビー)「産褥期の過ごし方~産後1か月安静にしなくてはいけない理由とは?~」
と解説しています。
ママの将来の体のため、心のためにも十分は休息時間が必要なのです。安静にしなかった場合のリスクについては「産後1ヶ月はゆっくり休むべき本当の理由」を確認しましょう。
3.床上げの1ヶ月間は何をするべきか?
「産後は少しは動いた方が良い」「まだ寝たままの安静にすべき」などの情報がネット上であるため、いったいどちらが正解なのか困ってしまいますね。
この疑問に対して医療法人社団の窪谷産婦人科さんが明確に応えています。
出産間もないころに、あまりに動かないとエコノミー症候群と同じく危険なこともあります。産後すぐは少し身体を起こしたほうが回復に良いというのも本当です。
活動と安静のちょうどよいバランスを保ちたいものです。
窪谷産婦人科「よくあるご質問」
産院を退院してからの2週間は家事は一切せず、お願いできる家族に任せてしまいましょう。もし家族が来れない場合、退院後の2週間を地域のヘルパーさんや産後ケアセンターなどを利用して助けてもらいましょう。
とにかく赤ちゃんのお世話以外のことは考えずに、ママさんは食事・授乳・お手洗い以外の行動は控えて安静にします。(おむつの交換もサポートされる方に任せてしまいます)
それでは次に、母体の回復を促す産後にお勧めの体操を紹介しましょう。
4.退院後にお家でできるお勧めの産後体操
その安静にしている間、エコノミー症候群にならないためにも軽い運動を行いましょう。
明治ホールディングスが提供する妊娠・出産・育児のための情報サイト「ほほえみクラブ」が次の動画を提供しています。まずはご覧ください。
出典:産後の体操|明治が提供する育児情報サイト『ほほえみクラブ』
※ 帝王切開でお産をしたママさんは、産後体操をしても問題ないか、医師や助産師に事前に確認しましょう。
この動画は退院後の産後体操です。妊産婦の体操研究委員である湯澤 きよみ先生、湯澤 美樹先生のご指導の下、監修されています。
妊娠中にゆるんでしまった筋肉を徐々に動かすことで、寝たきりの状態を解消し、母体の自然な回復を促してくれます。メニューは次の通りです。
- 猫のポーズ
- 猫のしっぽふり
- 腰のカール
- すべり台のポーズ
- 腰のツイスト
- 腕まわし腹筋
結果としてママさんの体と気持ちが徐々に外出したくなる程、回復してきたら少しずつ家事などの活動量を増やすと良いでしょう。
ちなみに妊娠する前の元の生活に戻るには、およそ6~8週間と言われています。この体が完全に回復する期間を「産褥期(さんじょくき)」と呼びます。
そのため、この動画の体操を「産褥体操」と呼んでいるのです。
5.お勧めの産褥体操2つの動画
その他にも足のむくみを和らげたり、足のつり防止、血液の循環をよくする2つの産褥動画(産後動画)をご紹介します。
5-1.足のむくみを和らげる体操
足のむくみをやわらげたり、足のつりを予防できる効果があります。
5-2.ふくらはぎのストレッチ
この体操で血液の循環がよくなり、足のつりを予防する効果につながります。
あとがき
いかがでしたか?やはり産後1ヶ月は安静にすることがベストです。
同じ理由から産後の外出も1ヶ月以降が望ましいです。その他にも産後2ヶ月目について注意すべき点などこちらをお読みください。