産後離婚を回避して夫婦仲を保つ方法3ステップ

「何ですぐ手伝ってくれないの?」「全然、育児に協力的じゃない!」パパに対する子育て中のママの悲鳴が聞こえてきそうです。

しかし、お互いが分かり合えず、このまま不仲な状況が続いてしまうと、離婚の危機が訪れてしまうことだってあります。

実際、日本における母子家庭の35%が、産後2年以内に離婚をしていることが、最近の厚生労働省の調査により明らかになりました。

そうのような悲しい事態は、実は普段のちょっとした夫婦の努力で防ぐことができます。

ここでは産後離婚の現状と原因、そして夫婦が協力して育児に関わっていく対策について解説していきます。

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1.離婚時期と子供の年齢の相関関係

平成23年度(2011年度)、厚生労働省が母子家庭に関する調査を行ったときの資料を見てみましょう。

次のグラフは家族が母子家庭なった時期、つまり離婚した時期の子供(末っ子が対象)の年齢別の状況です。

※死別を原因とした母子家庭の方は除外しています

参考:厚生労働省・全国母子世帯等調査結果報告「ひとり親世帯になった時の親及び末子の年齢」より

グラフから読み取れることは、子供の年齢が幼ければ幼い時期ほど、離婚を経験している家庭が多いことです。

母子家庭になった時期の割合は、子供が0~2歳の時に 35.1%とダントツ。次に3~5歳で時に 20.9%。実に離婚した家庭の半数程が、子供の年齢が0~5歳の時期であることがわかります。

結論として、子供が生まれて2年間は特に両親は気をつけるべきことがわかります。

それでは次に離婚の原因を見ていきましょう。

2.離婚の原因

そもそも仲が良かったから結婚をした夫婦に、離婚という危機が訪れる原因とは何でしょうか?

裁判所の公式サイトで提供する「司法統計」から離婚の原因を探ることができます。次の表をご覧ください。

妻の離婚申請の理由

順位理由票数全体の割合
1位性格が合わない19,46240.9%
2位暴力を振るう11,03223.2%
3位異性関係(不倫問題)8,90218.7%
4位浪費する5,36111.3%
5位性的不調和(セックスレス)3,7397.9%
6位酒を飲み過ぎる3,0706.5%
7位病気1,4813.1%
総数47,529100.0%

夫の離婚申請の理由

順位理由票数全体の割合
1位性格が合わない11,05861.4%
2位異性関係(不倫問題)2,76215.3%
3位性的不調和(セックスレス)2,44813.6%
4位浪費する2,15712.0%
5位暴力を振るう1,4758.2%
6位病気9475.3%
7位酒を飲み過ぎる4222.3%
総数18,009100.0%

※申立人(もうしたてにん・離婚したいと申請した人)の言う動機のうち、主なものを3個まで挙げる方法で調査、重複集計した結果です。

司法統計「家事 平成26年度 婚姻関係事件数  申立ての動機別申立人別」より

2015年に集計された司法統計の結果となりますが、双方の離婚を申請した理由が分かります。

妻と夫の両方で一番多かった離婚原因は「性格が合わない」でした。

また妻側の離婚理由として他に「家庭内暴力(ドメスティック・バイオレンス)」と「不倫」が合わせて40%以上を占めています。一方、夫側の離婚理由は「不倫問題」や「セックスレス」が挙げられています。

この結果から読み取れることは、ダントツ1位の離婚原因である「性格の不一致」というのは、非常に漠然としていることです。

これは日常の夫婦生活の中で双方が不満を抱き、そして溝が深くなっていった結果であることも予想できます。普段の日常生活でどれだけ夫婦感で理解し合えるか、という点がとても大事であることを示唆しているようにも感じます。

それでは、どうしたら日頃から円満な夫婦生活を送ることができるのでしょうか?ここでは特にママ目線で「夫に育児を協力してもらう」ための方法をご紹介します。

3.夫に育児を協力してもらう3つのステップ

夫婦の関係が円満になるコツは、日頃からパパに育児を手伝ってもらい、夫婦お互いが感謝し合える仲でいられることです。

そのためにもまず、ママが赤ちゃんと同時にパパも育て上げましょう。そのために次の3つのステップを実践しましょう。

  • 最初にパパの状況を理解してあげる
  • パパを育児上手に育てる
  • パパと赤ちゃんの2人の時間を作る

では具体的にどのようなことをしていくのか、1つ1つ解説していきます。

3−1.最初にパパの状況を理解してあげる

まずは相手を知ることです。パパのことを理解することです。

あまり育児に積極的になれないパパは、次のように考えているようです。

  • パパは赤ちゃんをどうして良いかわからない
  • ママの大変さ(育児の大変さ)を理解していない

日常、赤ちゃんのお世話をするママなら「次にこう動こう」など、どのように動くと育児がベストかを自然と身につけていきます。

しかし、日中は会社にいて帰宅も遅いパパは、育児の「い」の字も知りません。

それなのに週末に赤ちゃんの世話をしているママが、パパの気の利かない所にイラッ!とすることもあるかと思います。

201511-divorce-crisis-03ただ、パパは「どう行動して良いのか分からない」だけです。

手伝って欲しいことがあれば、具体的にお願いすることを心がけると良いでしょう。

次のママがどれだけ大変か、というのも意外とパパは理解していません。

ママは育児に専念して家事がおろそかになる、なんてことはよくあります。朝、使った食器は流し台にそのまま、洗濯物もたためずに放置、そして料理もできない。

しかし、その状況を帰宅したパパが見ると「なんで1日家に居るのに食事くらいもできないの?」と思ってしまうのです。

そんなパパに、システムエンジアである三十路男さんの記事を読んでもらいましょう。

これは「育児なんて誰にでも出来る」と思った1児のパパである三十路男さんが、実際に1日育児体験をした過程と結果を書いたモノです。

という訳で、2ヶ月ぶり2度目の育児体験が終了しました。

結果は今回も惨敗でした。

こんな事をしながら炊事洗濯、育児と頑張ってくれている妻の凄さを痛感すると共に、忘れかけていた感謝の気持ちを再度思い出す事が出来ました。

赤ちゃんの首すわり時期が過ぎたから、育児なんて余裕でしょ?

結果的に赤ちゃんの相手をしていたら1日があっという間に終わった。育児中に掃除、洗濯は無理だったという内容です。

この記事でママの大変さが少しでもパパに伝わってくれることを願います。

3−2.パパを育児上手に育てる

産後は、妊娠前の体型に戻す働きによる体力的な負担、不慣れな育児から来る精神的な負担などママは本当に大変です。

この状況から普段よりもイライラする頻度が増えがちですが、「1.最初にパパの状況を理解してあげる」でパパのことを知ったママさんは、まず落ち着いて次の手を打ちましょう。

パパが育児に肝心をもって、自ら参加していく姿勢を持つ程までに育ててあげるのです。

3児(うち2人は成人)の母であり、結婚21年目で離婚を経験した心理カウンセラーの北見 由紀さんは、ご自身の体験をふまえて次のように話します。

夫を教育し、もしも敵であるように感じているならば、味方にしていきましょう。

そして「残念な夫婦」にならないように、互いをねぎらう気持ちを忘れないでください。

OVO(オーヴォ)「「産後離婚」を招きやすい夫の傾向

パパを味方につけて、「ねぎらう気持ち」をお互いが抱くことができれば、きっと離婚なんて言葉とは全く縁がなくなるでしょう。

まずは次の4つのポイントをご覧ください。

  • 「パパだよ」といって抱っこさせる
  • お願いするときはパパを気遣う
  • 手伝って欲しいときは具体的にお願いする
  • パパをほめて、さらに感謝の言葉を伝える

3−2−1.「パパだよ」といって抱っこさせる

産後、すぐの時期はパパとしての自覚をもってもらうため「パパだよ」といって、なるべく赤ちゃんを抱っこしてもらいましょう。抱き方がぎこちなければママは優しく指導してあげてください。他にも週末のお風呂は必ずパパに入れてもらう、という習慣をつけるのもの良いですね。

これらは習慣づけるために頻繁にやってほしいのですが「パパが明らかに疲れているな」と感じた時は少し控えましょう。無理強いは禁物です。

3−2−2.お願いするときはパパを気遣う

また次のポイントにつながるのですが、お願いするときは必ずパパを気遣ってあげてください。例えば、

「お食事作りたいから、赤ちゃんのことを少し見てもらってもよいかしら?」

「洗濯物干したいから、その間、ミルクを赤ちゃんにあげてもらっても良いかな?」

などです。誰だって命令口調より、気遣ってくれた方が手伝う意欲がわきますよね。

3−2−3.手伝って欲しいときは具体的にお願いする

次に育児を手伝って欲しいときは具体的に細かくお願いしてください。なぜなら、パパはどうして良いか分からないからです。

例えば「オムツを交換するときは側にお尻ふきを置いて、使用済みのオムツはこのゴミ箱に入れてね。」のように細かく指示を出してあげましょう。

3−2−4.パパをほめて、さらに感謝の言葉を伝える

201511-divorce-crisis-04そして、頑張ったパパをほめましょう。

子育てに慣れていないパパは、ノロノロと行動が遅かったり、スムーズに出来ないと思います。

でもそこは出来るまで見守ってあげて「さすが、パパ!赤ちゃんがうれしそうだよ!」とほめてあげましょう。そうすることでパパに自信が付きます。

そして感謝します。これは夫婦関係の以前に人間の信頼関係においてとても重要なことです。

お互いで感謝し合い、信頼し合い、ねぎらうことができると夫婦の絆は自然と深まり、そのような暖かい両親に育てられた赤ちゃんは、きっと幸せになります。

以上がパパを育てる4つのポイントでした。

3−3.パパと赤ちゃんの2人の時間を作る

そしてパパが育児に慣れて、積極的に育児に参加するようになったら、赤ちゃんとパパの2人だけの時間を作るように心がけましょう。

これには、次の2つの効果が期待できます。

  • ママは育児から一時だけ離れて、自分のリラックス時間ができる
  • パパが赤ちゃんとの関係を育む大切な時間となる

先にもお伝えした通り、ママは産後、肉体的にも精神的にも負担が激しいです。この負担を抱えたままだとマテニティーブルーなど、ふさぎこんでしまう症状が現れることがあります。

そうならないためにも、パパの協力をもらって美容院にいって気分転換をしたり、カフェで10分だけでもかまいません。ママだけのリラックスする時間を作りましょう。

そしてパパと赤ちゃんが2人だけで過ごすことで、2人の貴重な時間を育むことが出来ます。

まとめ

産後約2週間で離婚を経験したシングルマザーのももちさんは、離婚について次のように述べています。

ただ。

私が別段目立った問題もなくどうにかやっているのを見て、離婚するのもいいかなー、って思ったりするのなら、離婚するのは絶対にやめておいたほうがいいと思う、ってことが何度かありました。

この(離婚前の夫婦の不仲や、調停での内容を綴った)ブログを見てみるよう言いたくなることもしばしば(^▽^;)

離婚で、どれだけの人間が傷付くか。当人だけでなく、周囲の人々だって。

母は強いのだ。~産後0ヶ月で離婚話~「大変ご無沙汰しております」より

夫婦の関係性を良くするには、日々の話し合い、やりとりがとても重要です。

ママさんは諦めずに徐々に、徐々にでかまいません、パパを育児に参加するように働きかけましょう。